同世代の原江里菜や若林舞衣子、吉田弓美子らは、試合に出場しながらゴルフ中継の解説の仕事も行っているが、服部は一切受けていない。「現役でやっているうちは、こっちに専念したい気持ちがあります」。まだマイクではなく、クラブを握ることに専念している。
まだまだ現役でやりたい。そんな思いもあり2年前から「ビューティバランス」という正しい体の使い方をマスターするトレーニングを取り入れて、スイングを見直した。ダウンスイングで左にスライドする動きから、その場で回るイメージに変えて、「ショットは良くなってきました」。糸口の見えないアプローチとは違い、ショットには手応えを感じている。
今年5月に転機になるできごとがあった。国内シニアツアーの新規大会「リョーマゴルフ 日高村オープン」は、男子シニアと女子プロが一緒に回る形式。出場した服部は、「シニアの方の半分くらいが長尺(パター)を使っていて(笑)。みんな色々な悩みを抱えてやっているんだなと元気が出ました」。
服部が左でアプローチをすることも知られており、「いろいろとお話しできて、すごく楽しくて、そのあたりからゴルフの感じも変わってきました」。長く競技を続けていると、若い頃のように気持ち良くできなくなる部分は必ず出てくる。それでも試行錯誤をして乗り越え、プレーを続ける大切さを学んだ。
国内ツアーを見ると、自分より年上の藤田さいき(40歳)がシード権を保持しており、48歳の大山志保もケガを乗り越えてたびたびレギュラーに出場している姿には刺激を受ける。また昨年10月には、かつて世界1位に君臨した37歳のヤニ・ツェン(台湾)がパターだけ左打ちで自国開催の欧州女子ツアーで復活優勝を遂げた。「ヤニは衝撃でした。現役にこだわる凄さを感じて、勝手に感動していました」と励みになる面も多い。
「みんながみんな、気持ちよくゴルフやってないですよね。ごまかしながらやっていると思うので、みんな必死にやっているから、私も少しでも頑張りたいです」。悩みの1つや2つはあることを受け入れるようにしている。
今のモチベーションは「試合は楽しいですし、全米シニアに出たいです」と、50歳以上の“世界一決定戦”ともいえる『全米シニア女子オープン』を見据える。
「みんな挑戦する姿がかっこいいですよね。若い頃はアメリカに挑戦できなかったので年を重ねて、挑戦するのもいいかなと思うんです」。体が続く限り、最低でも12年は現役にこだわる気持ちを持つ。戦い続けられる喜びがあるから、服部は頑張れる。そして再び、18番でウィニングパットを沈めて大ギャラリーの声援を浴びることを目指して…。(文・小高拓)
