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飛距離UPした青木瀬令奈 3本体制のアイアンを“新・硬”に変更「キャリーが出る」【勝者のギア】

青木瀬令奈のミラクル逆転Vに貢献したクラブセッティングをチェック。8本のウッド系は昨年とかわりがないが、アイアンとパターをこの試合から新しく投入していた。

配信日時:2023年3月20日 18時00分

青木瀬令奈は今大会から3本体制のアイアンを一新
青木瀬令奈は今大会から3本体制のアイアンを一新 (撮影:佐々木啓)

<Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント 最終日◇19日◇鹿児島高牧CC(鹿児島県)◇6419ヤード・パー72>
 
ミラクルな逆転劇だった。首位の上田桃子と4打差で最終日をスタートした青木瀬令奈。上田が1番から5連続バーディを奪い、一時は8打差まで開いたが、「自分自身のゴルフをどう組み立てていくかを徹底してやれた」と、コツコツとバーディを積み重ね、上田が後半に崩れたこともあって大逆転でツアー4勝目を挙げた。

青木のアイアンは3本。8番は『スリクソン ZX5 Mk II』で、9番とPWは『スリクソン ZX7 Mk II』のコンボ
8番アイアンの顔
8番アイアンのフェース面
アイアンのシャフト『N.S.PRO 750GH』のフレックスをRからSに変更した
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青木のアイアンは3本。8番は『スリクソン ZX5 Mk II』で、9番とPWは『スリクソン ZX7 Mk II』のコンボ (撮影:ALBA)

■3本体制のアイアンはヘッドもシャフトも一新

そのクラブセッティングを見てみると、8本のウッド&ユーティリティは昨年7月に稲見萌寧を逆転して優勝した「資生堂レディスオープン」のときと同じ。ドライバーは引き続き『ゼクシオ エックス』に『ベンタスレッド』の組み合わせ。フジクラのツアー担当によると、「シャフトはコントロールしやすく、飛距離も出るので使い続けてくれています」という。それに対し、アイアンとパターを今大会から一新している。

飛距離が出ない青木のアイアンは8番、9番、PWの3本。8番はボールを上げやすい『スリクソン ZX5』、9番とPWは『スリクソン ZX7』のコンボを使用してきた。これをそれぞれ最新の『スリクソン ZX5 Mk II』、『スリクソン ZX7 Mk II』にチェンジした。「アイアンはN.S.PRO 750GHのRを使っていたんですけど、オフのトレーニングでちょっと振れるようになって、高さは出るんですけど、抜けが良すぎてキャリーが出なくなってしまった。それでフレックスをSに変更したんです」。最初のきっかけはシャフトで、同時にヘッドを最新モデルに変更したのだ。

「シャフトとヘッドの相性がけっこうよくて、上がるんですけどしっかりキャリーが出てくれた。V字型のソールの抜けの感じが違和感なくチェンジできた。スピンもけっこう入ってくれていたので、今回はこれでいこうと決め手になりました」と、投入して即優勝となった。

オフのトレーニングではバイクをこいだり、ジャンプ、スクワットといった地面を踏むメニューに力を入れた。その結果、「開幕戦ではハイブリッドで打っていたところをアイアンで打てていた」と、飛距離アップを実感している。その影響でアイアンのシャフトが合わなくなり、硬いものに変更。「試行錯誤がいいほうにいってくれた」と調整がうまくいった。

今大会で投入したオデッセイのセンターシャフト『オデッセイ ホワイトホットOG #1WCS』
フェースにはホワイトホットインサート
幅広のブレードタイプとなっている
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今大会で投入したオデッセイのセンターシャフト『オデッセイ ホワイトホットOG #1WCS』 (撮影:ALBA)

■シビアなパターが速いグリーンとマッチ

そして、特筆すべきは初日25パット、2日目26パット、最終日は22パットと絶好調だったバッティング。3日間平均24.33パットは2位に2パットの差をつけてダントツの1位だった。開幕戦、2戦目とそれぞれ別のパターを使用してきたが、この3戦目では「2年ぶり」というセンターシャフトのオデッセイ『ホワイトホットOG #1WCS』を投入。「芝の種類と自分のストロークのミスの仕方によって」毎週違うパターを使っている。

センターシャフトを選んだ理由は「いままではパターに助けられてきた部分と、それによって感覚が出なかった部分が最近はあった。センターはシビアなパター形状ではあるんですけど、ミスしたらミスがわかる。今回は練習すればするほど打感が安定してきたりとか、重い球が打てるようになってきたので、すごくいい傾向で試合を迎えられました」と話す。

芯が広いネックがヒール寄りについているパターだと、ミスしたときの打感がぼやけてしまうことがある。センターはシャフトの重心線上でボールを打つことから、芯よりもトゥ側でヒットしたのか、ヒール側でヒットしたのかを感じやすい。鹿児島高牧CCのような傾斜なりに素直に転がるきれいで速いグリーンと、繊細で難しいセンターシャフトが、パター巧者の青木にピッタリとはまり、17個のバーディを量産した。

パターのトリプルトラックアライメントに合わせて、ボールにも赤と青の線を書いている

パターのトリプルトラックアライメントに合わせて、ボールにも赤と青の線を書いている (撮影:ALBA)

■パターに合わせてボールにも線を書く
 
青木のエースパターは、大型マレットのオデッセイ『トリプルトラック テン』だが、今回投入した『ホワイトホットOG #1WCS』にも同じように赤と青の3本のトリプルトラックアライメントが入っている。青木はトリプルトラックを使い始めた2年前から、「右いっぱいとか、左いっぱいとか、微妙なラインのときは安心感がすごくある」と、パターのラインに合わせてボールにも赤と青のラインを書くようになった。

しかし、“あえて”線を合わせないこともある。「立った感じで体重配分とか、ボールをトゥに置いたり、ヒールに置いたり、いろいろと変えるタイプなので、あくまで基準ですね。逆に感性が強すぎて反応しすぎちゃうときがある。例えば、きょうはフックラインが右に抜けているなというときはラインを信じて、これより右を向かないようにとか、1つの手助けになっています」。グリーン上では状況によって感性を活かしたり、あえて線を利用したりと使い分けている。
 
昨年好成績を残したエースパターにこだわらず、柔軟に対応した結果が、大逆転&54ホールノーボギーVへとつながった。
 
【青木瀬令奈の優勝クラブセッティング】
1W:ダンロップ ゼクシオ エックス(9.5度/VENTUS RED 5R、45.5インチ)
3W:ダンロップ スリクソン Z F85(15度/ATTAS COOL 6R)
5,7,9W:ダンロップ ゼクシオ 10(18,20,23度/ATTAS COOL 6R)
5,6U:ダンロップ スリクソン Z H65(25,28度/ATTAS MB-HY65R)
7U:ダンロップ スリクソン ZX(30.5度/ATTAS MB-HY65R)
8I:ダンロップ スリクソン ZX5 Mk II(N.S.PRO 750GH S)
9I,PW:ダンロップ スリクソン ZX7 Mk II(N.S.PRO 750GH S)
52,58度:グラインドスタジオ プロトタイプ(N.S.PRO 850GH R)
PT:オデッセイ ホワイトホットOG #1WCS
BALL:ダンロップ スリクソン Z-STAR XV

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