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『前澤杯』で取り戻した“せっかちゴルフ” 菅沼菜々が今季初60台で1年7カ月ぶり最終日最終組入り

国内男子ツアーに参戦した経験もプラスに。菅沼菜々は復活の勝利へ歩みを進める。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年5月3日 18時29分

<パナソニックオープンレディース 2日目◇3日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6751ヤード・パー72>

今季初の60台となる「66」。2日続けてのボギーなしラウンド。ツアー通算2勝の菅沼菜々が、復活の道を突き進んでいる。「ここまではずっとショットはいいけど、パターが入らず、流れがつかめなかった。でもきょうは、そこがよくなってリズムを作れました」。悩んでいた昨年の表情は、そこにはない。

【写真】アイドル菅沼菜々、全力でファンも応援します

きっかけになったのは、先週の男子ツアー「前澤杯」出場。石川遼や片山晋呉ら、男子のトッププロと回ったラウンドは刺激的だった。「毎日、風が強かったのもいい経験でしたし、(男子選手の)ショット、パットは勉強になりました」。特に印象に残ったのは、グリーン上でのスピード感。アドレスに入ったら迷わず打つ。そこに好調だった時の自分を重ねた。

「上位のせっかちなんです」。そう自己分析をする。そしてこの気質は、これまでプレーにも表れていた。パットも決めたら迷わず打つタイプ。しかし不調が続いた昨年は考え過ぎて余計に時間がかかっていたことに気づいた。2023年に優勝した時の映像には、“せっかち”な自分の姿が。そのいいイメージを目に焼き付け、今大会ではスピード感を重視している。

「エスカレーターと階段があったら、階段をダッシュで駆け上がるタイプ。何に急いでいるのか分からないけど、急いでます」。そんな性格をコースでも取り戻している。「最初で最後かもしれない。人生の宝物だし、今後の役に立つと思う」。男子ツアーでの経験は、絶大だった。

メルセデス・ランキング79位と低迷し、昨年末のQTも不振が尾をひいた。今季のQTランクは102位で、レギュラーツアーは限定的な出場になっている。ここまで3戦でプレーしたが、うち2試合で予選落ち。ただ、これも「去年、悪かったショットのイメージが払しょくできてなかった。でも前澤杯で払しょくできました」と振り返ることができる。2日目を終え、トータル7アンダーは首位タイ。最終日最終組入りも優勝した23年10月の「マスターズGCレディース」以来、約1年7カ月ぶりだ。

不振のきっかけになったヒザのケガも今は不安もなく、「スイングも戻せた」というのも好材料。「きょうも去年なら逃げていたところで、ピンを狙えました」。ここで3勝目をつかめば、その自信もさらに強まるはず。ただ本人は「一打一打、楽しみながら。優勝は…考えてしまうとは思うけど考えないように」と控えめ。プレーはせっかちでも、気持ちはのんびりと。あすは着実に歩みを進めていく。(文・間宮輝憲)

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