<日本女子オープン 事前情報◇30日◇宝塚ゴルフ倶楽部 旧コース(兵庫県)◇6185ヤード・パー70>
あどけなさが残る17歳は自分自身を鼓舞するように珍しく強い言葉を発した。おっとりとした“ささやきボイス”はいつもと変わらない。8月の「全米女子アマ」2位の岩永杏奈(大阪桐蔭高3年)は、ボリュームを少しだけ上げて、2年ぶりに出場する日本女子オープンに懸ける思いを口にした。
「正直言って、優勝以外は何位でも同じ。2位でも予選落ちでも一緒。勝てばプロテストを受けなくていいし、気持ち的には優勝したいです」
日本女子アマチュアランキングは1位に立つ。中学時代の2023年に「日本ジュニア」を制し、大阪桐蔭高に進んだ翌年は日本女子オープンで16位に入ってローアマに輝いた。昨年は「世界ジュニア」で優勝。今大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチームのエースとして、海外の試合も数多く経験している。
2年連続の兵庫開催となった今年の日本女子オープン。兵庫・尼崎市出身の岩永にとっては、いつも以上に気合の入る大会だが、出場資格のあった昨年はシンガポールでの同週開催となった「世界アマ」に日本代表として出場した。今回も名古屋で開かれている「アジア大会」と日程が重なったが、「今年はどうしても出たかった」と地元で日本一を目指すことを熱望し、JGAも本人の意思を尊重した。
「去年も会場のチェリーヒルズは普段練習させてもらっているコースなので出たかった。今年の宝塚もよく知っているコースで全部わかっている。フェアウェイが狭いので、ティショットが真っすぐ行けばなんとかなるかなと思います」
中学時代は「関西ジュニア」、24年は「関西女子アマ」で回った宝塚GCの旧コース。11月に最終プロテストを控える17歳は、アマチュアとして出場する最後のナショナルオープンと心に決め、自宅から車で約30分の勝手知ったるコースでの戦いに挑む。
日本女子アマチュアランキング2位の廣吉優梨菜(福岡第一高2年)も、アジア大会での金メダルより、日本一に挑戦することを選んだ。昨年は最終予選会で敗退したが、直前の繰り上げで初出場が決まった。ドタバタながら4位で決勝ラウンドに進み、最終日はアマでは史上2人目となる最終組でプレー。「71」の1アンダーと伸ばし切れずに15歳218日の大会最年少Vは逃したが、3位と大健闘した。
「この1年でどれだけ成長しているのかを、同じ大会に出て知りたかった」
実力的には岩永と同じく名古屋で日の丸を背負っているはずだった。だが、迷いはなかった。1年前と比べて160センチの体はひと回り大きくなった。「もう少し身長が伸びてほしい。まだ、諦めていません」と苦笑するが、飛距離も伸びてゴルフの幅も広がった。
「難しいコースだと思います。ラフは長く、フェアウェイは狭い。空回りしないように頑張りたい」
1年前のリベンジを果たせば、16年大会を17歳263日で制した畑岡奈紗を抜き、16歳217日の大会最年少のチャンピオンが誕生する。岩永も17歳257日で最年少記録を塗り替える。新たな歴史への挑戦。ナショチの2トップに注目だ。(文・臼杵孝志)
