<NEC軽井沢72ゴルフ 事前情報◇13日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6590ヤード・パー72>
2013年の賞金女王で、国内女子ツアー通算7勝の36歳・森田理香子が、10年ぶりに軽井沢の舞台に立つ。舞台となる軽井沢72ゴルフ北コースを回るのも、2016年大会以来となる。
「数少ない中から選んでもらって、(大会に)出してもらえるってすごいことだと思うんです。いい年じゃないですか。やっぱり、若い選手に推薦をしようというのが、たぶん当たり前の企業さんが多い。そのなかでもベテランに推薦してくださることはすごくうれしいことです」と、推薦での出場に、感謝の思いを口にした。
2008年にプロテストに合格し、同年の「日本女子オープン」でツアーデビュー。09年には初シードを獲得し、10年にツアー初優勝を挙げた。13年には年間4勝を挙げて賞金女王に輝くなど、長く第一線でプレーしてきた。しかし、その後は苦しい時期が続き、16年にシード権を喪失。17年も賞金ランキング89位に終わり、18年の「ニチレイレディス」を最後に一度ツアーを離れた。
そして24年の「ダイキンオーキッドレディス」で6年ぶりに復帰。同年は7試合に出場し、25年は1試合に参戦した。今年は4月の「ヤマハレディースオープン葛城」以来となる2試合目の出場。スポット参戦ながら「たまに出る」難しさを感じている。
現役時代のように毎週試合に出ていれば、「『これがダメだったから次でやろう』とかって、そういう修正ができていた」。試合を重ねながら調整できたが、今はそうはいかない。「ずっと出ているときは、『来週やればいい』とか、調整しながらやっていたから、すごく難しくて。そういう時代があるって思って意気込んでいくけど、完璧にしてきたつもりだけど、予選通らなかったとかもありますし…」。
準備をして臨んでも、状態が良くても、結果につながるとは限らないのがゴルフ。「たまに出るって難しいな~って思います。先輩たちからも言われていたんですけどね…」と、先輩たちから聞いていた言葉の重さを痛感している。
そんな森田は現在、ジュニアの育成にも力を注ぐ。今年7月には「森田理香子ジュニアゴルフキャンプ」を開催。教えている子どもたちの存在も、再び試合に出る理由の一つになっている。「先生が出ているとか、出られるだけでも幸せだって子どもたちも思ってくれていると思う。そういう意味でも試合に出て行かないといけないなって」とその表情は“先生”だ。
地元・関西の試合に足を運んでくれた子どもたちとの交流が、ジュニアキャンプへの参加につながることも。「マスターズGCとか見に来てくれて、私がボールマークをあげたりとかしていたみたいで、それで(ジュニアキャンプなど)応募してくれたりとか、『時々見に行きます』みたいなこととか言ってくれるから、私自身もジュニアの子たちから元気もらっています」と笑顔を見せた。
自分のプレーを見てくれる子どもたちがいる。だからこそ、試合に出ることにも意味がある。中継で応援してくれるジュニアのためにも、「テレビにも出られるように。本当に頑張らないといけない」と気を引き締めた。
練習日は強い雨が降るなか18ホールを回り、その後もショット、アプローチ、パッティングと入念に調整した。「技術的には昔よりは今のほうがうまいんですけど、技術が上がっているからスコアが出るっていうわけでもない。きれいなスイングをしているからって結果が出るというつながりはない」。
今大会はバーディが多く出ることも予想される。「耐えるゴルフ」を得意としてきた森田にとっては、新たな課題に向き合う舞台でもある。「私は耐えるゴルフが好き。硬くて、止まらなくてみたいな。伸ばして行くというのに慣れていない。それはこれからやっていかないといけない課題だなと思っていますし、それは復帰したときから思っているんですけど。伸ばして行かないと勝てないというのもわかりますし、だから難しくて」とうなづく。
「季節的にもグリーンは硬くできないし、やわらかい。みんなやっぱりすごいんですよね。(ピンに)狙っていく」と、積極的に攻める選手たちのプレーに刺激を受けている。賞金女王まで上り詰めた経験を持つ森田だが、今は若い選手たちからも学びながら、自分自身のゴルフを見つめ直している。
「色々学びながら、勉強しながら。でもやっぱり負けたくないっていう気持ちもあるので、いろんな選手見ながら、(自分が)やっていることを出せたらいいなと思っている。低い目標かなと思えるんですけど、最低でも1日アンダーパーで回りたい。それが最低目標かな」
ジュニアたちに背中を見せるためにも、そして何より自分自身がもう一度、戦うためにも。推薦で与えられた貴重な舞台で、今できるゴルフをぶつける。(文・高木彩音)
