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今年ツアー復活した大山志保さんの不屈の闘志【原田香里のゴルフ未来会議】

今週は2006年の国内女子ツアー賞金女王で、米ツアー参戦も経験した国内ツアー通算18勝の大山志保のお話。

配信日時:2024年12月11日 11時30分

今年ツアー復帰を果たした大山志保(写真は伊藤園レディス)
今年ツアー復帰を果たした大山志保(写真は伊藤園レディス) (撮影:福田文平)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。今週は、大山志保さんについてお話したいと思います。2006年の国内女子ツアー賞金女王で米ツアー参戦も経験した国内ツアー通算18勝の実力者であることは、みなさんご存じの通りです。

野生のワニに大興奮の大山志保【写真】

一方で、47歳に至るまで、ヒジを始めさまざまな故障や病気に悩まされてプレーできない時期が何度もあり、それを克服して復活を繰り返してきた不屈の精神の持ち主でもあります。

両足などの痛みで22年アース・モンダミンカップを最後に試合から離れていた大山さん。痛みは全身に広がり、治療法も決まらないという苦しい状況にあったそうです。それでも、今年終盤の「伊藤園レディス」でツアーに復帰。「トイレに行くにもハイハイしていた」という状況から戻って来たため、スタートホールで、温かい拍手に迎えられて涙したというのも無理のない話だったのでしょう。

結果的には予選落ちでしたが、足の痛みを抱えながらも2日間、36ホールをプレー。出場予定だった翌週は欠場でしたが、ファイナルQTは4日間、72ホールを完走しました。92位とレギュラーツアー出場ができる位置には及ばなかったものの、ステップ・アップ・ツアー中心の参戦のため、そこに向けた治療に意欲を燃やしているようです。

それにしても、驚くのは大山さんの精神力です。私もずっと心配していたのですが、今回、試合から離れていたのは2年5か月。身体的には当然、辛かったでしょう。身体の調子がよくないと、それに伴って心も沈んで行ってしまうのが人間というものです。しかも40歳を過ぎてからの長期離脱でもあきらめず、気持ちを保ち続けたのは、本当にすごいことだと思います。

そこには、試合に出られる喜び、応援してくれる人たちへの思いの強さがあるでしょう。自分のゴルフに対して、このままではまだ、やめられないという気持ちも強いのだと思います。痛みの程度も、辛さも、本当のところは本人にしかわかりません。けれども、自分が納得するまでゴルフをやったほうがいいに決まっています。人生はまだまだ長いのですから、焦らず自分の心身と向き合いながらプレーしていく姿を、陰ながら応援したいと思います。

復帰戦となった伊藤園レディスも、QTも、様子を私は報道で知ることしかできていません。でも、それを見ただけでも彼女のすごさがわかります。47歳で2年5カ月ぶりに戻って来た試合で「これがスタートラインなので」という言葉が出るのですから。「伸びしろしかない」とも言っていたと聞きます。まだまだずっとプレーするんだ、という気持ちが、ひしひしと伝わって来ますね。

どれだけ長くおやすみしても、どれだけ痛みと戦い続けても、何度でも克服してツアーに戻ってくる大山さん。オフシーズンの間にできるだけ治療が進み、元気な状態で来季に臨めることを心から祈っています。

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