2017年は、そのスター候補生がいよいよプロデビューを迎える年。"当然、一発合格"。ゴルフファンのほとんどはそう思っていたが、やはり重圧はあったことだろう。9位タイで見事合格を果たしたが、最終プロテストの最終ラウンド後には「本当に疲れました。後半ショットもパットもおかしくなって…。諦めたら終わり。泣く前にやることがあると思った」と振り返っていた。
実は3年をかけてスイング改造を行なっていた勝。「悪いときはテークバックで左肩をまわそうとすると、左肩が下がってしまっていました。インパクトでは右肩が下がって、右プッシュが出たり、球をつかまえようとして左に引っかけたり」。得意とするドライバーショットで、球が左右に散ってしまい、スイング自体への迷いはつねに持っていたとか…。だが高校を卒業し、ゴルフ1本となった今年、光明を見出すことができた。
「スイングの始動が"左肩"というのは変わりませんが、アゴを引いてアドレスすると、背筋が伸びて肩の力が自然に抜け、肩をまわす動作がスムーズになりました。背中側にしっかりとしたスイング軸を感じることができたんです。また以前はバックスイングでも、無理してまわせるところまでまわしていましたが、いまは左肩がアゴに触れるところまででOKという意識。惰性で少し上がりますが、以前よりはトップが全然コンパクト。無理していないんですが、スイング軸がしっかり固まり、インパクトも厚くなったので、230〜240ヤードくらいだった飛距離が240〜250ヤードくらいに飛距離アップできました。方向性もすごく良くなりましたね」
確かにスイングを客観的に見ると、バックスイングが小さくなり、一見もの足りなさを感じるが、安定的に飛ばせるドライバーショットを手に入れつつあるのだとか。合格直後の記者取材で語った「3年前にプロになるよりも強い選手としてプロデビューできる。(3年間で)いい経験が出来ました。そういう意味では(すぐにプロ転向せず)ここに来てよかったと思う」という言葉は、決して虚構ではない。
高校3年間はプロ転向をせず、あえてアマチュアの立場を選択。レギュラーツアーには3年間で46試合に出場し、高校3年時の2016年「ニチレイレディス」には、史上初のアマ2勝目にあと一歩に迫る2位フィニッシュ。またアマ競技でも2015年「日本女子アマチュアゴルフ選手権」を制覇するなど、トップジュニアとして成績を残しながら、新人プロのツアーデビュー後2〜3年分の経験をアマチュア時代にすでに済ませてしまっている。
「私のプレースタイルは、攻めのゴルフが魅力、とか、笑顔で楽しそう、とか言っていただけますが、そういう意識でプレーをして、ゴルフの楽しさをいろいろな方に知ってもらいたいという気持ちはあります。最近はゴルフ人口が減っているのは皆さんも知っていると思いますが、私の地元の鹿児島でもジュニアゴルファーの層が薄くなっていて…。盛り上がりが薄れてきているんです。だから、"ゴルフって楽しいんだよ"と自分たちが伝えていけたらな、と思っています」
どんな競技でも、"上手くて強い選手"が必ずしも愛される存在になるわけではない。結果を出せることに加えて、プレー中の振る舞いやファン対応・取材時の発言などに滲み出る人柄、サービス精神などさまざまな要素が、見ている人の心に伝わっていくことで、"愛されるスポーツ選手"が生まれる。
彼女に"地元自慢をしてください"という聞いたのち、取材のお礼をいうと「今日は鹿児島の良いところを話すことができたのが嬉しかったです。ありがとうございました!」と返された。愛されるってこういうことかぁ、と思わされてしまった。
勝みなみ プロフィール
●出身地/鹿児島県
●出身校/鹿児島高等学校(鹿児島県)
●生年月日/1998年7月1日
●身長/157cm
●体重/56kg
●血液型/AB型
●ゴルフ歴/8歳〜
●得意クラブ/ドライバー
●1W平均飛距離/240〜250ヤード
●プロテスト受験回数/1回目
●趣味/映画鑑賞、スポーツ観戦
●好きな色/明るい色
●目標とするプロゴルファー/宮里藍
●3年後の目標、人生の目標は?/
「3年後は東京五輪を目標にしていますし、私の目標は『世界一愛されるプロになること』なので、少しづつでも成長していきたい。つねに、いまのままで止まっていて欲しくない。ゴルフの実力的にも、人間的にも成長していていきたいと思っています!」
●地元自慢してください!
「とにかくご飯が美味しい!あと、私の家の前から桜島がすごくキレイに見えるんです。転戦中に各地でさまざまな自然風景を見ることがありますが、やっぱり桜島の風景が一番ダイナミックに見えるんです。何度見ても不思議と飽きないんです。桜島には友達も住んでいて、人も温かい。また島には黒神埋没鳥居という約100年前の大噴火で、半分以上が埋まり、頭の部分しか地表に出ていない鳥居があります。大噴火のすさまじさや、島で生きた方の足跡などを感じることができるので、皆さんにも一度訪れて欲しいですね。それと、来年の大河ドラマは鹿児島が舞台の『西郷どん』。私がいうのもなんですが…ぜひ観てくださいね(笑)」
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