<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 最終日◇12日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6700ヤード・パー72>
9年ぶりとなるツアー通算2勝目を手にした永井花奈には、大好きなおばあちゃんがいる。父方の祖母・英子さん。高校2年生だった2014年の「日本女子オープン」で日本人アマチュアでは大会歴代最高位(当時)となる3位に入り、記者会見でメディアをざわつかせた“迷言”のなかにも登場した、大切な存在だ。
「私より確実に両親は先に死ぬ。私は一人っ子なので、1人で死にたくないから結婚したい。おばあちゃんも先は長くないから、プロになって活躍する姿を見せたいです」
まじめな顔でそんな話をしていた12年前に77歳だった英子さんは、永井がトーナメントコースレコードの「63」を出した3日目の11日が、89歳の誕生日だった。その日にお祝いの電話をした。かわいい孫の活躍に祖母は『よかったね。ナイスだったね。おめでとう。長生きしてよかったわ』と言ってくれた。
永井は6月に29歳になった。愛情あふれるドッキリ発言は健在で、「おばあちゃんは私が活躍すると喜んでくれるし、いつも褒めてくれる。10年以上も自分では『もう無理』とか言っているけど、今も生きています。死ぬ前に勝ててよかったです」。北海道に向かう前には、東京都内の祖母の家を訪ねた。『U-NEXT』で試合を見る手順を教えてあげるためだった。
「今週はそこそこいい争いができるかなと思っていたので、1時間くらいレクチャーしてきました。何度も教えているけど、なかなか覚えられないみたいです。途中で諦めるんですよね。優勝したところを見ていてくれたらいいなあ」
英子さんは杖なしで歩ける。だが、現地で観戦するのはさすがに難しい。「だから、新聞やテレビで伝えられるように、常に上位で戦えるように頑張りたいです」。今年はビッグスコアと優勝というプレゼントを贈ることができた。卒寿を迎える来年もおばあちゃんを喜ばせたい。(文・臼杵孝志)
