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【アジア・太平洋アマ 取材記】 誇るべき日本女子の「準備の質」と「礼」

【アジア・太平洋アマ 取材記】 誇るべき日本女子の「準備の質」と「礼」

所属 ALBA Net編集部
標 英俊 / Hidetoshi Shimegi

配信日時:2018年2月27日 12時42分

ナショナルチームを統括するガース・ジョーンズヘッドコーチは、「(フィールドを見て)勝てるチャンスがかなりあるなと思い、試合前の準備にフォーカスして選手とともに取り組みました。練習ラウンドでは、戦略を立てるための情報を集め、全員がその計画にしっかり向き合ったことで、2名が優勝争いに加わることができました」と総括する。

西村、安田がジョーンズ氏から試合前にかけられた言葉は“メモと向き合え”。「練習日が一番疲れましたね(笑)」という西村のヤーデージブックにはきっちりとコース戦略が書き込まれており、大会後には「自分の立てた計画を実行でき、毎ラウンド安定したスコアでプレーできたことは自信に繋がりましたし、今後の強みになります」と、優勝を逃した悔しさを持ちつつも、手応えを感じていた。

西村とプレーオフを戦ったのは、ティティクル、サソウ・ユウカ(フィリピン)、ウェンユン・ケー(ニュージーランド)。3名の経歴を紹介すると、アタヤは昨年7月、14歳4か月で出場した「タイランド チャンピオンシップ」で欧州女子ツアー史上最年少優勝を果たした逸材。日本とフィリピンのハーフで日本ツアー出場経験もあるサソウは18年1月の「フィリピンアマチュアオープン」で勝利。ウェンユンは、米国のワシントン大学で16年の「NCAAチャンピオンシップ」を制している。

プレーオフは373ヤードの18番パー4。身長160cm後半で250から260ヤードを飛ばす3名に対して、150cmの西村は飛距離で劣り、当然セカンドオナー。だが、確実なパーオンと勝負強いパッティングで2ホールをパーでしのぎ、4人の中で最も安定したプレーを見せていた。サソウ、ウェンユンが脱落し、ティティクルとの一騎打ちとなった3ホール目は、12番の441ヤードパー4。飛距離のアドバンテージにより敗れた格好だが、持てる力を発揮し、全力でコースに向き合った姿勢は賞賛に値する。その証拠に、表彰式で小柄な日本人が4日間連続“69”を出したと発表された際は、各国選手・チーム関係者から惜しみない拍手が送られた。

■ ガース・ジョーンズ コーチが語る準備の大切さ

ジョーンズコーチは、西村について「クレバーでアカデミック。コース外を含めて繊細なゲームプランを構築するタイプで、飛距離がないぶん“フェアウェイのどこにつけられればいいか”の戦略づくりが、非常に得意で質が高い。加えてパッティングも強み」と評するが、西村いわく、17年にナショナルチーム入りした以前、以後では「準備の質はまったく変わりました」と、効果てきめんだ。

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