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親友が待つJLPGAツアー目指す22歳・水木春花「早く同じ舞台で」 最終テスト前に“山下美夢有流”も吸収

3日目にスコアを落としたアマチュアの水木春花。最終日はプロテストに向けて最高のラウンドにしてみせる。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2024年9月29日 08時01分

水木春花はプロテストへ自信を深める最終日にしたい
水木春花はプロテストへ自信を深める最終日にしたい (撮影:佐々木啓)

<日本女子オープン 3日目◇28日◇大利根カントリークラブ 西コース(茨城県) ◇6845ヤード・パー72>

10月29日から茨城県の大洗ゴルフ倶楽部で行われる最終プロテストを受ける選手は7人が決勝ラウンドに進んでいるが、そのなかのひとり、22歳の水木春花はそれと同じ茨城県で行われる最高峰舞台で自信を深めている。

安田祐香と竹田麗央のウェアがかぶりまくり【写真】

「ラフからのアプローチがすごく上手になりました!」。その声は明るい。プロ・アマ問わずトップ選手が集まるコースは、水木にとって目を輝かせる場所になっている。そこには多くの“教科書”があるから。

開幕前は、ツアー史上最長の6845ヤードを誇り、くるぶしまですっぽり埋まるようなラフが生い茂るコースとあって、その対応にも頭を悩ませていた。「練習ラウンドの時にJLPGA会員のプロたちがどうやって打っているのかなというのも見ていました」。そこで目に入ってきたのが、同学年の女王・山下美夢有のプレーだった。

「がっつり(ウェッジのフェースを)開いて、上から優しく落とすような感じで打っていたんです。(ボールが)埋まってしまうくらいなので、『こんなに開かないとダメなんだ』と思いました。私が今まで持っていたアプローチでは通用しないのは分かっていたので、思い切ってやるしかなかった。その通りやってみたら、すごくよかった」

もともと感覚派を自認する水木は、言葉で説明を受けるより実際にプレーを見て学ぶことのほうが身につくという。「盗めるものがあれば」。そういう視点で、ツアーで活躍するトッププレーヤーたちのゴルフを見つめている。

2019年の初受験から、ここまでプロテストは最終まで3度進みながら涙をのんできた。今年が6度目の挑戦。その“前哨戦”では「進歩」も感じられている。「自分のなかで100点ではないけど、目標にしていた予選通過はクリアできた。シビアなパーパットも多くて2メートルも何回も打ったし、5メートルのも決めたり。メンタル的な面でも成長していると思います」。準備のためにも最高の舞台だ。

ショットの状態がいまいちというなかで本番を迎えたが、「最近はここを直せば、というポイントがいくつかあって、それで修正もできるようになりました。以前は悪くなったら『あれ、あれ?』という感じで。今は冷静に『ミスの原因は…』など考えることができています」。さらにそのなかで、パターとアプローチでしのぎ、予選ラウンドはトータル1オーバー(28位タイ)とスコアまとめあげ、週末に進んだ。

同い年で21年にプロテストに合格した永嶋花音とは、毎年旅行に行くなど大親友。「悩んだ時には、すぐ連絡して教えてもらったり、恵まれてますね」。大阪府出身の水木だが、高校は大分高を卒業している。その時、九州地区の強化選手に選ばれ出会ったのが2人が親交を深めたきっかけだ。「私と花音ちゃん、あとは竹田麗央ちゃんと櫻井心那ちゃんが(選抜チームに)いたんですけど、私だけまだ(プロテストに)通ってない。早く追いついて同じ舞台で戦いたいです」。昨年の最終テストも2打差で合格をつかみとれなかった。ここまでの“あと一歩”を乗り越えていく。

今年はアマチュア資格を返上し、“プロ”としての第一歩を踏み出した。「ゴルフでお金を稼ぐということを経験した方がいいと思ったのが理由です。私に合っていました」。現在はプロテスト合格を目指す選手たちが腕を磨く『マイナビ ネクストヒロインツアー』に参戦中。「環境もよくて試合数も多い。(アマ返上で)JLPGAツアーには出られなくなりましたけど、マイナビにもテストに受かっていてもおかしくないようなうまい選手がたくさんいて。そこで優勝を目指すのは刺激にもなってます」。志をともにするライバルたちとの切磋琢磨も、“成長”につなげている。

決勝ラウンド初日になった3日目は「80」と悔しい一日を過ごした。自信を深めている“修正力”を最終日に生かし、満足ゆく形でこの4日間を締めくくりたい。「プロテストに受かると、こういう舞台で戦うことになる。予選通過を見るだけではなく、もっと上を目指していきたいです。そのなかで“ここが強い・弱い”というところを見つけて勉強したい」。時折混ざる関西弁が、ハキハキとした明るい印象を増す。合格をつかみとり、次のヒロイン候補になりたい。(文・間宮輝憲)

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