プロテストに合格した選手が合格年度No.1の座をかけて争った「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」で、これからプロ生活が始まる98期生の選手たちに“今年の漢字”を書いてもらった。今回は同大会を制した藤本愛菜をご紹介!
福岡県出身で2007年2月23日生まれ。10歳でゴルフを始め、JGAナショナルチームにも名を連ねた。2度目の最終プロテスト挑戦で合格をつかみ取った期待のルーキーだ。目標とする選手は上田桃子で、長年、上田と二人三脚でツアーを戦った辻村明志コーチの指導を受けている。来季の出場権をかけて争われたファイナルQTも21位になり、ルーキーイヤーの開幕をレギュラーツアーで迎えることができる。
そんな藤本がサイン色紙に書き出した漢字は『強』。「去年、プロテストに落ちてから、今年一年は死ぬ気で頑張ってきた。精神的にも技術的にも“強くなれた一年”だと思ったからです」と、その理由を明かす。
昨年12月から今年4月まではほぼクラブを握らず、タイヤを使ったトレーニングに集中。20種類以上あるメニューの中で、重いタイヤを引いて走る、押す、ひっくり返すなどのハードなメニューに、早朝から取り組んだという。
「本当に苦しくて、泣きながらやった日もありました。でも今思えば、やってよかったと思います。だれよりも頑張ってきた一年だったと思うので、結果としてついてきてくれてよかったなと感じています」。苦しさの先に得た達成感は大きい。自身の強みについては、「アイアンショットの安定感と、メンタル面の強さ」と胸を張る。
そんな厳しい練習を乗り越えられた背景には、同じ辻村コーチの教えを受けていたツアー通算17勝(日米共催大会含む)の上田の存在もあった。24年シーズンを持ってツアー休止を表明し、今年11月に第一子を出産している。
「間近で見てきて、ゴルフに取り組む姿勢など、すごく憧れています。追いつけはしないですけど、近づければいいなと…。あれだけ上手いのに、もっと上を突き詰める姿勢にすごく憧れています」と尊敬を口にする。そんな“強い姿勢”を胸に、ルーキーイヤーの戦いへ挑んでいく。(文・高木彩音)
■前多愛(滋賀県出身・2002年10月6日生まれ、23歳)
―今年を表す漢字は『気』
「プロテストもQTも気持ちと気合いで乗り切った一年でした。気持ちだけは負けないようにしようって、4日間通して思っていました。去年までは(気持ちの面が)すごく弱くて、試合になると調子が悪くなることが多かった。それも気持ちが負けてしまっていたので、今年は“気持ちで負けないように”と、最後まで気持ちを強く持って頑張ろうと思ってやりました」
■森村美優(香川県出身・2006年5月4日生まれ、19歳)
―今年を表す漢字は『耐』
「テストも(スコアを)伸ばすというよりかは、ずっと耐えて、しのいで、ギリギリのところで通った。何年も苦しかったので、攻めるよりはしのいでやってきた年が長かったので『忍耐』という意味を込めてこの漢字にしました」
―憧れのプロゴルフだーは米ツアー通算6勝のトニー・フィナウ
「日本の選手でもいい選手はたくさんいるんですけど、フィナウ選手は賞金で寄付活動をしていると聞いて、自分のためだけに賞金を使っていないところがステキなだと思いました。稼いだお金を貧しい人たちに渡している姿に憧れました。いつか私も…、そこまでお金を稼げたらいいですけど、そうなれたらいいなと思いました」
