「シード権のかかる後半戦はゴルフを楽しめない自分がいました」左手首のケガも完治し、満を持して2012年シーズンに臨んだダエだが、ここでも賞金ランク52位とあと一歩でシード取りに失敗してしまう。シーズン後半、毎試合シード権を意識しながら戦う中で、ダエはゴルフを楽しむという感覚を失い、時には1人涙を流すこともあったという。
しかし結果を残せる自信があったのも確かだ。2012年シーズンは体調を考えて欠場した試合もあり、休まずツアーに参戦さえすれば必ずシードは取れるはずという思いがあった。そんな中、今季は「できる限り休まずツアーに参戦すること」を方針にかかげ、さらに「できる限りゴルフを楽しむ」というスタイルを貫いて戦ってきた。
「今はゴルフをしていて楽しい。練習していても楽しい」明らかなメンタル面の変化が現れたダエはここまで3度のベスト10フィニッシュなどで賞金ランクも42位、念願のシード獲得まであと一歩の迫る活躍を見せていた。そして今大会、シード権以上に切望していた優勝の二文字をつかみ、同時に来季のシード権を最高の形で確定させた。
「不動さんのような永久シードが取りたいです」将来的にも日本ツアーで戦い続けることを希望するダエの最終目標はツアー30勝を達成した選手に送られる“永久シード”。まだ残り29勝という途方もなく長い道のりが待っているが、ダエは今日その第一歩を踏み出した。