<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン 初日◇10日◇石坂ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇6580ヤード・パー72>
3アンダーで迎えた最終18番パー4。尾関彩美悠は、2打目を打ちグリーンまで行くと、その光景に驚いた。フェアウェイバンカーのアゴ付近から「ギリギリ」で打ったセカンドショットは、グリーン手前のカラーに着弾。そこからピンまでの距離は、35メートルも残されていた。
「今までの人生で一番長いパットでしたね」と、笑いながら振り返るシーン。傾斜が強く、大きいグリーンが特徴のこのコースならではのシチュエーションとも言える。寄せるためにUTで3打目を打つ考えもよぎったが、ここはパターで狙うのが最善と判断。クラブを握る手にグッと力を込めた。
イメージは「ハーフショットくらい」の振り幅。しっかりとヘッドを上げて、フォロースルーもこれまでないくらいの大きさでカップを狙った。「上げすぎてフェースが(ボールに)当たるのか心配になった」というが、見事にヒットしたボールはフック、スライスの難解なラインに乗って、カップに向かっていく。
球が進むにつれギャラリーの期待も高まり、『入れ!』という声も。惜しくもバーディにはならなかったが、わずか20センチにつける“超・超ロングパット”だった。
この日の尾関は前半だけで4つ伸ばすスタートダッシュを決めたが、後半はスコアが動いたのが12番のボギーだけと伸ばしあぐねた。ハーフターン時に挟んだ1時間ほどのインターバルが、「長くて、切り替えが難しかったですね」とその勢いを止めることに。「いつも守りに入ってしまうので、後半も攻めよう」という意気込みも実らず、逆に3パットで1つスコアを落としてしまう。それだけに18番をパーで終えることが、あすにつなげるためにも必須だった。
「最後にボギーだけは打ちたくないので、意地でも2パットで決めようと思いました。ショートするのだけはやめよう。3メートルくらいまで寄せて、それを頑張って決めよう」。だが、結果は楽々のパー。ストレスフリーのラストパットで、気持ちよく2日目に向かうことができる。
ここまで5試合に出場するも、4試合で予選落ち。本調子とはいかない春を過ごしている。それでも「アクサレディス」の初日に続く60台を死守し、11位タイで滑り出した。「先週は2メートル以上のパットが一度も決まらなかったけど、今週はラインがすごく読みやすいし、この流れに乗りたい」と、相性の良さも感じる。とはいえ、この日のようなとんでもないロングパットへの挑戦は「もう、当分はいいかな」とニコリ。粘りに粘った一打を、好結果につなげたい。(文・間宮輝憲)
