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勝みなみが松山英樹も使用する“マッスルバック”アイアンに戻ってきた理由

約1カ月ぶりの日本戦に挑む勝みなみ。ホステスVへの強い味方は…マッスルバック?

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2023年9月22日 09時00分

踏襲して4試合目のマッスルバックアイアン。お気に入りポイントは?
踏襲して4試合目のマッスルバックアイアン。お気に入りポイントは? (撮影:上山敬太)
勝みなみの最新セッティング。4番、5番はキャビティバックの『ZX5 MkII』、6番~9番・PWの5本は、マッスルバックの『Z-FORGED II』のコンボとなっている。撮影時は16本入っているが、コースによってフェアウェイウッド、ユーティリティ、4番アイアンの中から2本を抜く
勝みなみが使う『Z-FORGED II』
『Z-FORGED II』のフェース面
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勝みなみの最新セッティング。4番、5番はキャビティバックの『ZX5 MkII』、6番~9番・PWの5本は、マッスルバックの『Z-FORGED II』のコンボとなっている。撮影時は16本入っているが、コースによってフェアウェイウッド、ユーティリティ、4番アイアンの中から2本を抜く (撮影:上山敬太)

<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 事前情報◇21日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6569ヤード・パー72>
 
今年は米ツアーを主戦場にする勝みなみ。用品契約を結ぶダンロップのホステスプロとして今季国内5戦目に臨む。そのバッグのなかをのぞいてみると、4番、5番はキャビティバックの『ZX5 MkII』、6番~9番・PWの5本は、これまでのセミキャビティ『ZX7 MkII』から、マッスルバックの『Z-FORGED II』に替わっていた。

『Z-FORGED II』は世界屈指のアイアン精度を誇る松山英樹が使うモデルでもある。
 
一般的にキャビティバックは芯が広く、やさしくボールが上がって飛距離が出せるのがメリット。それに対してマッスルバックは、打点こそシビアではあるが、球の高低の打ち分けや、左右に曲げたりといった操作性に優れ、ラフからの抜けがいいなどのメリットがある。スイングの再現性が高いプロや上級者でないと扱いが難しく、ある程度ヘッドスピードが速くないとボールが上がらないため、マッスルバックアイアンを使用する女子選手はあまりいない。
 
実は3年前にも勝は『Z-FORGED II』の前モデル、『Z-FORGED』をキャディバッグに入れてツアーを戦っている。「私はクラブヘッドが上から入るので、スピンがかかりすぎて、他のクラブだと球が吹き上がってしまう」と、マッスルバックを使う理由を説明。その後、「やっぱり高さが出なくてずっと悩んでいて」とセミキャビティに切り替えた。
 
そんな勝がメーカーにマッスルバックをリクエスト。前回国内ツアーに参戦した8月の「CAT Ladies」で受け取り、その翌週にカナダで開催された米ツアー「CPKC女子オープン」で投入した。「やっぱりやさしい(キャビティバック)アイアンって抜けもいいじゃないですか。私、ちょっと“つっかかる”くらいが気持ちいいので、マッスルバックのほうがそういう感覚も取り戻しやすくて替えました」という。
 
キャビティバックはソール幅が広く、ボールの手前からヘッドが入るダフるミスもソールが滑って助けてくれる。そのぶん、ヘッドが地面の中に入っていく、長いターフは取りにくい。マッスルバックはソール幅が狭く、ダフりは即ミスにつながるが、切れ味鋭く長くきれいなターフが飛ぶ。それを勝は「つっかかる」と表現している。
 
マッスルバックに替えてから出た米ツアー3試合はすべて予選落ち。それでも「ショットの感覚はいい」という。さらに「日本よりも突き刺さる感じがあって、けっこう芝が取れてくれるので自分には合っているかなとは思います。方向性も安定しやすくなりました」と語り、米ツアーに多い洋芝で好感触を得ている。
 
「やっぱり高さよりも方向性」と割り切って使い始めたマッスルバックは今大会で4試合目とあって、「そろそろ良い結果が出るんじゃないかと思っています」とニヤリ。次週は3連覇がかかる「日本女子オープン」だが、米ツアーでのシード獲得を優先して米国に戻る。「ここで弾みをつけてアメリカに」。15歳でアマチュア優勝を遂げた高校生のときから、ずっと使い続けているダンロップのクラブで、ホステスプロとして結果を残したい。(文・下村耕平)

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