QT1位から出場権喪失　下川めぐみを襲ったコロナ後遺症

必死に克服しようとしたが、無理がたたったのか今度はヒジ痛が出てしまった。満身創痍な状態で「一打一打、だましながらやっていた感じです」と明かす。シーズンを戦いながら、スイングの試行錯誤を重ねた。

「でも、やらなければいけないこと、やってはいけないことが分かってきました。練習でできるけど試合ではできないことは、やってはいけないこと。逆に緊張していてもできることは、やっていいこと。いろいろなことを試したおかげで、その積み重ねはできました」と、前向きにとらえる。

それにしても、そんな事態になった原因があるはず。下川と話をしているうちに、ひとつの原因が挙がった。

「昨年、コロナにかかった後、体力が落ちて集中力が戻らない状態が続きました。何よりも困ったのは、記憶力がなくなってしまったこと。通い慣れた道でも迷ってしまうほどで、人の顔も思い出せない状態でした」

少しずつ体力と集中力は戻ってきているが、記憶力はまだ自信が持てないようで、困ったことに「コースが思い出せないんです」という。毎年ラウンドしているコースなのに、いつも初めて回るような感覚だったというのだ。体の動きは脳がつかさどっている。記憶力の低下は、スイングにも影響したのだろう。

今後は、「まずはヒジ痛を治してからですが、安静にするのが苦手なので、3日も休めるかどうか。根性と努力と練習は好きなので、この半年でつかんだことを見直して出直します」と、前を向いた。