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賞金はプロに対する評価の一つ 全米女子OPの超高額賞金に思う【原田香里のゴルフ未来会議】

賞金はプロに対する評価の一つ 全米女子OPの超高額賞金に思う【原田香里のゴルフ未来会議】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2022年6月15日 11時30分

急に賞金が増えた大きな理由は、スポンサーをつけたから。主催の全米ゴルフ協会(USGA)が、女子ゴルフのより大きな発展のために、今年初めてプロメディカという会社をスポンサーにしたのです。大会正式名称にも、スポンサー名は入っています(US Women's Open Presented by Promedica)。

ツアーで戦うプロゴルファーにとって、賞金はとても大きな意味を持っています。日本でも、今年からシード権を争うランキングはポイント制になりましたが、賞金はツアープロの収入の基本です。少し乱暴な言い方になりますが、賞金総額を出場選手で奪い合うのがプロの試合だからです。人気が出れば、スポンサーからの収入なども増えますが、それも実力があって賞金が稼げる=露出の多い選手だからこそ。時には順番が逆になることもありますが、それでも結果が出せなければうまくはいかないのです。
 
全米女子オープンでは、優勝したミンジー・リー選手が「私の優勝もうれしいけど、女子ゴルフの世界にとって素晴らしいことだと思っている」と、話していましたが、賞金はプロアスリートにとって評価の大きな部分を占めるものです。ステータスと言い換えてもいいでしょう。全米女子オープンの超高額賞金は、USGAが意図した通り、女子ゴルフの地位向上という面でも、大きなアピールに成功したことになります。

もちろん、現実的な部分でも賞金はとても大切です。個人事業主であるプロゴルファーは、転戦のための経費だけでなく、大事な資本である自分自身の体と心をできる限りいい状態で保つための投資をしなくてはなりません。コーチやトレーナー、マネージャーなどサポートしてくれる人に支払うお金、体のケアなどにかかるお金は、成績に直結します。程度もありますが、高額な車も、疲労を軽減したり、安全を担保してくれたりするという意味で必要です。体をつくってくれる食事も大切。人前に出る時の身だしなみにも気を使わなくてはなりません。ものによっては、スポンサー負担やご厚意でお金がかからないこともありますが、基本はすべて自腹。頑張るために自分に投資するのは、仕事の一部なのです。

ゴルフは生涯スポーツと言われていても、競技ができる期間には限りがあり、一生賞金を稼ぎ続けられるわけではなく、その後のことも考えなければなりません。だから、賞金が高いということは、本当にありがたい話なのです。

日本の女子ツアーでも、賞金額は年々上がっています。アース・モンダミンカップの総額3億円をはじめとして、それぞれの大会がプライドを持って「選手のために」と試合を主催して下さっているのは、本当にありがたいことです。

できれば、たくさんの試合をできるだけ長く続けていただきたいと思います。刻々と変わる経済状況もあり、主催者のみなさんそれぞれの事情もあるでしょう。時代の流れの中で、賞金が上がりすぎたために試合が失われるようなことが起きてしまうのならば、それはとても残念なことです。それよりも、続けてくださることの方がありがたい、と私個人は思っています。

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