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西郷真央のバンカーショットから聞こえた“究極の音”とは? 劇的イーグルに隠された技術【辻にぃ見聞】

西郷真央のバンカーショットから聞こえた“究極の音”とは? 劇的イーグルに隠された技術【辻にぃ見聞】

配信日時:2022年5月24日 12時00分

「左ひざを大きく曲げ、左足に重心をとり、スウェイすることなくトップポジションが決まりました。何より一番素晴らしいのは、軸がまったくブレることなく、ヘッドの重みをしっかりと砂に落とし込めていたという点。西郷さんは低い位置でピタッとヘッドが決まる。これができた時、『タンッ』という“バンカーでの究極の音”が出るんです。最高の音が出てましたね。100点のバンカーショットです」

その技を見た辻村氏は、すぐに西郷の今季スタッツを調べたという。そして、そこでサンドセーブ率2位(64.7059%)、リカバリー率1位(76.3975%)という数字を見て、深くうなずいた。「サンドセーブ、リカバリー、そしてパッティング。結局ここが勝てる、勝てないを分ける部分です」。

西郷はこの16番で、ラフから2打目を強いられることになった。ここで「(ショートサイドになる)右のバンカーは絶対に入れてはいけないけど、きょうの調子を考えると、(刻んで)3打目勝負よりも左バンカーに入ったとしてもグリーン近くまで運んだ方がいい」とマネジメント。「イーグルにつながる、いいジャッジだったと思います」と振り返った。

辻村氏は、この判断について、「あの局面で左バンカーがOKといえる人は、やっぱりバンカーに自信がある証拠。ラフからよりも、バンカーからのほうが寄ると考えられたのでしょう。そう考えられることで、グリーン周りの“OKゾーン”が広がりますから」と説明する。プロをもうならせる“究極のバンカーショット”。ここに20歳の底知れぬ技術を見ることができた。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、松森彩夏、吉田優利などを指導。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

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