3週前の「パナソニックオープンレディース」で今季4勝目を挙げたが、その後は2週連続で予選落ち。この間には、師匠のジャンボこと尾崎将司のもとを訪れ指導を受けたほか、「自分を見つめ直す」ため、携帯電話に保存してある過去のスイング動画を何度も確認した。
その時々で何を考えて、このスイングになったかを記したメモも、5年分はデータとして残っている。「携帯を無くしたら大変なことになっちゃう。無くさないように気をつけています(笑)」。過去からつながる財産によって、不振から立ち直ることができた。
最終18番ホールもバーディで締め、終わってみれば2位の稲見に2打差をつけトータル13アンダーで完勝した。出場10試合でのシーズン5勝は、2004年に不動裕理が打ち立てた出場11試合を上回る歴代1位の最速記録になった。「もう10戦もしたんだという感覚。記録は驚きですけど、ほんとうにうれしいです」。ツアーの歴史に新たな1ページを刻んだことを、素直に喜んだ。
来週には渡米し、6月2日(木)開幕の「全米女子オープン」(ノースカロライナ州、パインニードルズ・ロッジ&GC)に臨む。「試合中はそのことは考えずに集中しました。でも結果的にいいステップが踏めました」。国内最強の20歳は、自信を胸に初めての海外メジャーの舞台に立つ。(文・間宮輝憲)
