舞台芸術とスポーツ。分野は違いますが、日ごろから技を磨き、ファンに喜んでもらうことを仕事にするのは、役者さんもプロのアスリートも同じです。そして、それを多くの裏方さんが支えている構図もよく似ています。　　

ステージや試合という表舞台に立つのは役者さんや選手たちですが、様々なプロフェッショナルがそろう裏方さんなしには、絶対に表舞台は成立しません。特に、新型コロナウイルス感染が拡大した後は、その防止にも心を砕くという仕事が加わりました。

劇場を経営し、公演の計画を立てて準備を進め、PRをしてチケットを販売する。劇場の管理、大道具、小道具の制作やメンテナンス、衣装、演出、音楽…。舞台芸術の世界では素人の私が思いつくだけでも、裏方さんの仕事はこれだけあります。実際はもっと、たくさんの仕事があるでしょう。

ゴルフのツアーはどうでしょうか。まずは、試合を開催するための資金集めという大仕事があります。並行して開催コースを選定し、1週間使わせてもらう交渉をし、より選手の技術を引き出すためのセッティングをお願いすることになります。期間中の臨時駐車場の準備や、ギャラリー、関係者用のバスの手配、それに伴う交通の制限などは、地元の警察との話になります。

お客様の動線を考えて、ギャラリースタンドや仮設トイレ、飲食のできる場所なども準備しなければなりません。事故や病気に備えて医師や看護師さんもお願いすることになります。みなさんに安全に試合を楽しんでいただくためには、準備しなくてはならないことが山ほどあります。

大会を皆さんに知って頂くための事前PRも大切です。地元自治体と話し合って後援してもらったり、テレビやインターネットなど大会の様子を伝えるメディアは必須です。そしてチケット販売、取材に来て下さる各メディアへの対応…。数え上げればきりがないこれらの仕事は、選手たちが所属し、私が理事を務めていた日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）が自分たちでする部分もありますが、多くの関係者の方と一緒に作り上げています。