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名参謀の親父ギャグにリラックス 堀琴音と大溝雅教キャディの8年間

名参謀の親父ギャグにリラックス 堀琴音と大溝雅教キャディの8年間

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2022年3月21日 09時30分

大溝氏は復活を遂げたが、堀は不振にあえぎ、どん底に突き落とされているときだった。懸命にレギュラーツアー復帰を目指し、昨年の7月には涙の初優勝を果たしたが、その横に大溝氏はいなかった。そのときはハウスキャディでの優勝だった。

堀は見事に表舞台に戻ったが、心残りはあった。「大溝さんが担いだ選手のなかで、勝っていない選手のほうが少ない。だから私が悪いと思っていた、私が弱いから勝てない」。そんな思いを堀は持ち続け、だからこそ「大溝さんと勝ちたい」という気持ちが強くなっていった。

大溝氏は現在56歳。今回の勝利でキャディとしての優勝回数は32回に達した。堀が言うように選手をリラックスさせるのが得意だ。親父ギャグを言いながら、選手の緊張をほどく。「ジェネレーションギャップで分からないこともある(笑)。でもそれもおもしろい」と堀もそんな大溝氏とのタッグを楽しんできた。「よく二人で怒っていました。大人になりましたね」と大溝氏はいままでを振り返るが、「いまでは怒らなくなった。精神的に強くなった」と堀の復活劇に目を細めた。

「こっちゃん(堀の愛称)のお母さんと同い年、娘みたいなものですよ。ボクはリラックスさせてあげるだけ」と大溝氏がいえば、「選手いちばんで、謙虚で、基本的に最後はポジティブなことを言ってくれる」と堀は大溝氏に絶対の信頼を置く。「涙が出そうなくらいうれしい」と照れくさそうに笑った大溝氏。「本当に勝ててよかった」と少し言葉を詰まらせた堀。二人のビクトリーロードがようやく始まった。(文・高桑均)

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