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昨季2位7回 “あと一歩”足りなかった西郷真央が初優勝に届いた理由

昨季2位7回 “あと一歩”足りなかった西郷真央が初優勝に届いた理由

配信日時:2022年3月6日 17時44分

「悔しいって思いながら練習しました」。このオフにはショートゲームを強化し、アプローチを基礎から見直した。さらに、「ミスに対して怒りがこみあげてくるのはしょうがない。次の一打に入る前に気持ちをリセットする」ことを心掛けるようになった。この“あと一歩”を埋めるための努力は開幕戦から実を結ぶことになる。

トップと5打差の8位タイでスタートした最終日。前半で3バーディのチャージをかけた。2打差に縮めて迎えた後半12番、バンカーから“寄らず入らず”で初ボギーとしてしまうが、続く13番パー3では気持ちを切り替え、ティショットを80センチにつけてバウンスバック。16番もバーディを奪い、首位と1打差の位置で17番を迎えた。

「比較しないようにとは思っていたけど、フラッシュバックしました」。昨年優勝争いから転落するきっかけとなった17番セカンド地点に立って、嫌な記憶が思い出された。しかし「そこに打ち勝って同じミスを繰り返さなかった」と西郷のメンタルは強くなっていた。ピンまで97ヤードを54度で振り抜き、グリーン奥のカラーにオン。7メートルのバーディパットを沈め、この日初めて首位タイに並んだ。

18番にも“あと一歩”が試される場面が待ち構えていた。パー5の2打目でピンを目指して放った打球はグリーン手前のバンカーへ。「アプローチを練習していなかったら、無理に狙っていたかもしれない」。直接乗せるのが難しい状況で、バンカーから一度グリーンわきのラフへ出し、ラフからの寄せワンを狙った。その計算通り、アプローチを40センチに寄せて、お先にパー。オフに重点的に取り組んだアプローチを選択するという冷静なジャッジとマネジメント、その技を試合でみせる技術の高さをしっかり披露し、ほかの選手を“あと一歩”リードする強さをみせた。

待ちに待った初優勝を飾りはしたが、まだ満足していない。開幕前の会見でも「複数回優勝できるように」と初優勝の先を見据えていた。優勝を手にし“あと一歩”を踏みだすことができた西郷は、二歩、三歩とそのあゆみを広げていく。(文・笠井あかり)

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