■小柄だけど飛距離を出すための工夫とは?
またショット面について辻村氏は、こんなポイントを指摘する。身長153センチと小柄な古江だが、例えば9番アイアンの飛距離は130ヤード程。これは女子プロの平均飛距離はしっかりと出ていることになる。カーボン製のシャフトを挿すという工夫もしているが、辻村氏はこの秘密を解き明かすうえで『左手のグリップ』に注目した。
「古江さんは、構えた時に左手の小指のナックルが上から見えるくらいのストロンググリップです。これだとインパクトで当たり負けしない。あの体で普通の握り方をすると、飛距離的に落ちてしまう。フォーナックル見えるストロングリップで、しっかりボールをつかまえているという印象。普通ならここまで極端な握り方だと直しそうなものですが、あえてそのままにして飛ばすための工夫にしていますね」
さらにダウンスイングが、毎回インサイドから同じ軌道でおりてくる再現性の高さも傑出。これは「毎回同じ力感で振れている」証拠で、「調子のよさ」のバロメーターになる部分でもあると辻村氏は続ける。風に負けない打球の重さも感じることができ、「体のポテンシャル以上の球を打てる」理由を、こういう部分に求めた。
■難しいピンポジでも“決めまくった”