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「集大成」のスーパーショット3連発で決めた号泣V! これが渋野日向子“進化の証し”

「集大成」のスーパーショット3連発で決めた号泣V! これが渋野日向子“進化の証し”

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2021年10月10日 18時40分

そしてソンウ、佐藤が残った2ホール目。今度は残り108ヤードからの3打目を、46度で1.5メートルにピタリとつける。これを決めると、あとの2人はバーディを奪えずに勝負あり。「正直こんなに早く勝てると思ってなかった。不思議な気持ち」。それが涙に変わった。この優勝を語るうえで、大仕事をしたウェッジについても触れないわけにはいかない。

今年はスイング改造のみならず、練習方法、そしてクラブセッティングでも“変革の1年”だった。そのクラブの変化の一つが、今年から取り組んでいる“ウェッジ4本体制”だ。来年からの参戦を目指す米国ツアー挑戦に向け、これまでは52度、57度の2本を使用してきたが、そこに46度と54度を追加。番手間のギャップを埋めることで、100ヤード以内の精度を上げることなどが理由にある。

それにともない来る日も来る日も、この短いクラブたちを振り続け、それがクライマックスで生きた。「練習を続けてきた距離が残ってくれた。4本入れたウェッジで、1ヤード、2ヤード刻みで打つことができた」。いずれもベタピンにつけた、正規とプレーオフの18番での3打目は、「バックスピンがかかるところにピンが切ってあるのは分かった。2ヤード奥から戻す感じで打ったら入るかな、とそこを狙った」。日々の練習を自信に、最初から頭に描いていた戦い方だった。

ボギーを叩いた直後の16番パー3でのチップインバーディも、58度で「狙いにいった」もの。「ウェッジを使える位置まで、ドライバーで持っていけるのもうれしい」と、その4本が生きるのは飛距離が伸びたことの副産物でもある。だからこそ、しっかりとフェアウェイを2度ヒットさせ、ウェッジでピンを狙えた3度の18番ホールが「集大成」になるわけだ。

「全英AIG女子オープン」を制した2019年の自分を捨てて、取り組み始めた改造。しかし、今では少し心境も変わっている。「新しい自分と、19年の自分が混ざって今の自分がいる。最初は『(過去の自分を)捨てる』と言っていたけど、そうではない。今やっていることを続けていれば、2年前の自分よりももっと強くなれると思っている」。目指すべきは“ハイブリッド”。進化を目指す渋野日向子が、今取り組んでいることに確信を持つことができる優勝を手にした。(文・間宮輝憲)

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