「ギャラリーの方もいないし、特にやらなくてもいいかな」
これが小祝の言い分だった。ちなみにこの大会は無観客だったが、ツアー初優勝となった昨年の「サマンサタバサ レディース」ではギャラリーがいたにも関わらず同じくツバを触ったのみだった。このときは「ウイニングパットを打つ前にガッツポーズをしようか考えていました。ですが、どういう風にしたらいんだろうって思って。じゃあいいやって」と述べている。
記録がかかった者、悲願が成就した者、お世話になった人への恩返し…。今年もたくさんの歓喜の瞬間を目にしてきた。ある選手はこぶしを天高くつき上げ、ある選手は涙を流し、ある選手は最高の笑顔を見せて、みな喜びを爆発させた。だからこそ、道産子が見せた涼しげなリベンジは特に印象に残った。(文・秋田義和)