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メジャーの歴史と男女の比較から考える将来【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

メジャーの歴史と男女の比較から考える将来【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2020年8月11日 18時00分

昨年の全英優勝で渋野日向子は国民的ヒロインとなった
昨年の全英優勝で渋野日向子は国民的ヒロインとなった (撮影:村上航)
ゴルフの世界における『メジャートーナメント』の価値とはなんだろう。優勝はいうまでもなく、出場すること自体が名誉な大きな大会(現在、男子は4つ、女子は5つ)が『メジャー』と定義されている。来週、渋野日向子が連覇に挑む全英女子オープン(今年からAIG女子オープン)もその一つだ。

男子の現在のメジャーは、全英オープン、全米オープンマスターズ、全米プロの4つだが、全英アマ、全英オープン、全米アマ、全米オープンがメジャーとされていた時代もある。

現在の女子の場合、前述の全英女子オープン、全米女子オープン、全米女子プロゴルフ選手権(KPMG全米女子プロゴルフ選手権)、ANAインスピレーション、エビアン・チャンピオンシップの5試合が『メジャー』に定義されているが、ここに落ち着くまでには長い歴史がある。

LPGA(全米女子プロゴルフ協会)のサイトで確認すると,最も古いのはウェスタンオープンで、1930年から67年までの間、メジャーとして扱われていた。続いてタイトルホルダーズ選手権が1937〜42年、46〜66年、72年と断続的にメジャーとして開催されている。全米女子オープン(1950年〜)、全米女子プロ(1955〜)、ANAインスピレーション(1983年〜)の3試合は、現在も引き続き行われている。ただし、全米女子プロは2015年からLPGAとPGAオブ・アメリカの共催となり、現在の名称に変わっている。ANAインスピレーションは、ダイナショアという名前で始まり、スポンサーの入れ替わりもあって何度か名称を変更している。

渋野日向子がAIG(全英)のプロモーションに出演【動画】

全英女子オープンがメジャーとなったのは01年からだが、大会自体は79年から開催されている。米ツアーの大会だった時期もあり、岡本綾子が優勝している(84年)が、この時はメジャーではなかった。その後、米ツアーではなくなるなどの変遷を経て、メジャーとなった。最も歴史が浅い5つ目が、エビアン(2013年〜)だが、それ以前にもカナダで行われていたドゥモーリエ(79〜00年)がメジャーだった時期もある。
  
男子と比べて女子メジャーの歴史がややこしいのは、スポンサーへの依存度が高いからに他ならない。男子のメジャーにももちろんスポンサーはついているが、冠としてそれをいただくことはない。これは、大会そのものの基盤がしっかりとしていることを意味している。
 
一方、女子の大会でスポンサー名がついていないのは全米女子オープンだけ。メジャーといえどもスポンサー次第という状況が続いている。時代によって、メジャーとされる試合が変わりつづけているのはそのためだ。この先も、冠スポンサーに左右される可能性は十分にある。ここに、男子との大きな違いがある。

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