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形を変えてでもツアーを行うためには【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

形を変えてでもツアーを行うためには【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2020年5月12日 18時27分

人間のイメージや感情についての問題である3についてはどうだろう。ネックとなっているのは、ノンゴルファーのゴルフに対するよくないイメージだ。以前にも書いたが、日本ではいまだに「ゴルフは金持ちのスポーツ」というイメージが払しょくできていない。優越感に浸りたいがためにそのイメージをいつまでも引きずっている人間たちが業界のイニシアティブを取り続け、周囲もそれを容認してしまって来たことのツケだ。そのハンディキャップを跳ね返す必要がある。

スポーツとしてのゴルフが身近なものであり、ゴルフが人々を明るい気持ちにすることができること、などを心から分かってもらうようにするしかない。ゴルフをしない人たち(ノンゴルファー)に、だ。プロスポーツとは切っても切り離せない社会貢献を考えながら試合をすること。そして実行することも大切だ。ツアーの再開は、それなしにはあり得ない。

一定数の批判は覚悟の上。それでも、結果的にはプラスイメージになる。それをきちんと示さなければイメージアップのためにお金を出しているスポンサー企業は、首を縦に振らない。それがうまくいかないなら、スポンサーに全面依存するのではない試合のあり方を模索するいい機会だと捉えよう。

問題はまだある。ここまでの対策で試合を行った場合、ツアーキャディや運営スタッフなど、仕事を失うことになる人たちが少なくないこと。すでに悲鳴を挙げているツアー周辺の人たちに、どんな手を差し伸べられるか。「不安定な仕事なんだから」、「ツアー周辺にぶら下がっているんだから」と、切り捨ててしまうのではなく、しばらくの間は、違う形でツアーを支えてくれる仕事をしてもらうなど、方法を見つけるほうが前向きだ。

「政府の通達通り」、「諸外国(あるいは他団体)にならって」などと逃げてばかりいては将来などない。自分たちで考え、できる方法を探す。非常事態は、ツアーの形を、そしてゴルフのイメージをいい意味で変えるチャンスでもある。早急に、かつ慎重に。だが、前向きに再開について考えてほしい。(文・小川淳子)

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