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「私は手元がかたくなりやすい」 松森彩夏はなぜ5ヤードのアプローチばかり練習するのか

「私は手元がかたくなりやすい」 松森彩夏はなぜ5ヤードのアプローチばかり練習するのか

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2020年3月19日 12時08分

松森彩夏は練習場で5ヤードのアプローチを打ち続けていた
松森彩夏は練習場で5ヤードのアプローチを打ち続けていた (撮影:福田文平)
「ショートゲームはずっと課題でした。試合では一番スコアにつながると思うので」。そう語る松森彩夏は、オフの合宿で、ひたすら5ヤード先のピンに向かってアプローチを打っていた。20球ほどのボールを打ち終えると、拾い集めてまた同じように5ヤードを繰り返す。ここにアプローチが苦手な人が上達するためのヒントがあった。

振り幅を小さく これが松森彩夏のアプローチ練習時のスイング

ゴルファーなら経験があるかもしれない。アプローチのザックリとトップが止まらなくなり、それが続くと、ウェッジを短く握り、腕と手首をガチガチに固めて打つようになる。「できるだけ余計な動きをしたくない」という発想だ。アプローチに苦手意識があった松森自身も、イップス気味の一般ゴルファーほど極端でないにしても、「私は手元がかたくなりやすい」と感じていた。

では、腕をガチガチに固めてしまうと、どんな弊害があるのか? 「ボールがフェースに乗らないし、ラインが出しにくくなったり、思ったよりも飛ばなかったりします」と松森は言う。そこでコーチの辻村明志氏が松森に課したのが、短いアプローチでシャフトのしなりを感じて打つ練習だった。

「肩の先から腕をしならせる感覚で、シャフトもしならせる。ショットのように大きく速く振ればしなりを感じやすいですよね。近い距離のアプローチでもしなりを感じて練習することが大事。そうしているうちに、こんなに力を入れなくても良いんだと気づいてくる。だから松森プロも毎日時間をかけて短い距離を打っているんです。今ではヘッドの動きが良くなってスピンが入るようになりました。腕がガチガチだと、フェースに乗らないからスピンが入りません」

そう辻村氏が言うように、腕を固めていると、小さな振り幅のアプローチではシャフトのしなりを感じることはできない。腕をやわらかく使わないと、アプローチの墓場からは永遠に脱出できないのだ。「手はできるだけソフトに。ホースを振っている感覚です。しならせて先っぽが後から来る。ウェッジでもその感覚が出せないとアプローチは上手くなりません。しならせればヘッドを加速させながら当てることができます」と辻村氏は教えてくれた。

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