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シード権喪失の中堅選手が相次いでツアー撤退 それでも原江里菜が続ける理由【記者の目】

シード権喪失の中堅選手が相次いでツアー撤退 それでも原江里菜が続ける理由【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年11月18日 17時05分

「人それぞれだと思いますが、私が保たなきゃいけないのはそれよりも自尊心。そして、他人からではない承認。いわゆる承認欲求を満たすということを他人からではなく、自分ですることが重要だと思います。大江さんはモチベーションを保てないというよりは、毎週自分がうまくいかないことに自分が厳しくて、それの繰り返しだった、それが苦しかったのではと想像します。動機付けや目的意識よりも、自分の気持ちを埋める作業をどうやって、成績や状態に関係なくやっていくかが重要だと思います」

成績が出ない日々、うまくなれたという実感がない日々では、ゴルファーとしての存在意義が不安になる。それでも毎週のように試合はやってくる。そのなかで、いかに自分の気持ちを整理するのか、認めてあげるのか。やる気よりも、そういうコントロールが難しいし切れてはいけないというのが原の分析だ。

それでも出てくる負の感情のときは、選択しないようにしている。「自分が苦しいときとか悩んでいるときに決める決断は、きっと正解じゃないと思うんです。だから、勝ちたいのは自分の人生の区切りという感じですかね。それがないと次に進めない気がする」。それゆえに何度でもファイティングポーズを取り続けるのだ。「今も切羽詰まっていますけど、苦しいですけど、去年ほど苦しくないです。落ちたらまたやればいいだけだなっていう気持ちは去年よりあります」。勝つまでは何度転んでもいい、という覚悟をのぞかせる。

シード復帰へ大事な一戦となった伊藤園レディスでは、1打足りずに予選落ちを喫した。それでもホールアウト後には「今週はパッティングが入らなさすぎました。グリーンが難しいのではなく自分の問題。来週までに修正したい」と話すと、決勝ラウンドに進出した選手らに混じって練習グリーンでパッティング練習を繰り返した。「たぶん私は忘れるのが早い。うれしいことも悔しいこともすぐに忘れちゃう。だから瞬発力勝負。思ったときにやらないとダメ」。3度目の絶景を見るまで、32歳はもがき続ける。(文・秋田義和)

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