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渋野日向子ホールアウトから優勝までの“不思議な”1時間30分【記者の目】

渋野日向子ホールアウトから優勝までの“不思議な”1時間30分【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2019年9月24日 07時30分

優勝が決まった瞬間の晴れやかなシブコスマイル
優勝が決まった瞬間の晴れやかなシブコスマイル (撮影:村上航)
渋野日向子による8打差逆転Vで幕を閉じた、先週の「デサントレディース東海クラシック」。あまりにも劇的な展開が、見る者を試合へくぎ付けにした。特に息をのんで見守ったのが、渋野ホールアウトから優勝が決定するまでの“1時間30分”だった。ここには、優勝を目指す選手それぞれの悲喜こもごもがあった。

待っているあいだ、シブコは何を手にした?【写真】

大会2日目を終えトータル5アンダー・20位タイにつけていた渋野。トップの申ジエ(韓国)はトータル13アンダーと、着実に首位固めを行っていた。いくら伸ばし合いの大会といえども、この差を埋めるのは容易ではない話。しかも、先頭にいるのは“あの”ジエだ。 「(逆転は)ムリだと思っていました。最後まで悔いの残らないように攻めよう、それだけを考えていました」。“ひとつでも上の順位を”。渋野がそこに照準を絞っても、なんら不思議ではない話だ。

最終日最終組に名を連ねたのはジエのほか、2日目終了時点で10アンダー・2位のイ・ミニョン(韓国)と同9アンダー・3位タイのテレサ・ルー(台湾)という、合わせて日本ツアー45勝を挙げている海外の強豪3人。午前8時50分に、1番ティから定刻通りスタートしていった。一方の渋野は、午前7時40分に、ジエらの7組前でティオフした。

この日の渋野は好調で、特にパットがさえ渡った。チャンスで決めきれなかった前日とは打って変わって、この日は4番パー3で8mをねじ込むなどしっかりとスコアを稼いだ。「打ちたい方向にしっかりと打てていた。長いのも、強いのも、ジャストタッチのも決まってくれた。パッティングに助けられました」と本人も振り返るほど。パット数を見ても2日目の「33」に対し、最終日は「23」。その差は歴然だ。

そして15番パー5でこの日7つ目のバーディを奪い、首位のジエに並んだ。さらに16番パー3では、逆目の難しいラフから15ヤードのアプローチを直接決めるチップインバーディ。これで単独トップに立った。最終18番では6mのバーディパットがカップに蹴られたが、この時点で1打の“貯金”を持ってクラブハウスに戻ってきた。

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