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「一枚くらいええやろ」ではすまされない シャッター音は選手生命に関わる【記者の目】

「一枚くらいええやろ」ではすまされない シャッター音は選手生命に関わる【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年9月17日 07時04分

どうして、ここまでシャッター音に過敏になるのか。それはミスショットが生まれる以上に、選手生命に関わる可能性すらあるからだ。以前、宮里優作が自身のSNSで「トーナメントの時に切り返しでシャッターを押されて、その音に反応してしまい、腰痛を再発させた事がある。。それから凄く敏感になってしまっている。今日のようにずーっとスマホを向けられたままアドレスするのはかなり恐怖感があります。でも克服しなくては(原文)」と発言した。予期せぬ音が鳴ることは、そのレベルの大ごとなのだ。

この「予期せぬ」というところがポイント。野球やサッカーの試合のように常に応援が鳴り響く競技であれば、選手もそこまで気にならないだろう。例えば男子ツアーの「RIZAP KBCオーガスタ」では至るところで音楽が流れているが、選手はそこまで気にしていない。むしろ「その方が細かい音が気にならなくていい」という選手までいた。ゴルファーが静かなところでなければプレーできないのではなく、鳴るはずのないときに鳴る音だから問題なのだ。

渋野が帰国して今大会が4試合目。北海道で2試合、軽井沢で1試合が行われたが、これまでの3試合はここまでひどくはなかった。ギャラリーの人数の問題ではない。当然、今大会のギャラリー全員が全員ひどかったわけではない。マナーを守って応援している人も多数いたことは改めていうまでもないこと。ただ、守れない人があまりにも目立ってしまっていたのだ。

ほとんどの携帯電話にカメラが付き、スマートフォンが普及している。さらにインスタグラムをはじめとするSNSが広まっている今、写真を撮りたくなる気持ちが分からないでもない。思い出として残したいことも理解できる。だからといって、予期せぬタイミングで発せられたシャッター音のせいでミスが起きても、選手はプレーをやり直すことはできない。1打で1000万円以上という金額どころか、人生が変わる世界。大げさではなく、「一枚くらいええやろ」の気持ちが、選手の一生を狂わせてしまうのだ。

もちろん写真を撮りたいギャラリーのために、日本女子プロゴルフ協会や大会側としてまだまだ遅れている部分もある。女子ツアーでは、大会によってチャリティフォト(1000円以上チャリティすることで好きな選手と写真撮影ができる。最大人数が決まっており、人気選手は抽選)というものがあるが、これだけギャラリーの集まった今大会では実施されていなかった。

男子ツアーで行われている、一部エリアに限って写真撮影が可能な『フォトエリア』もない。ギャラリーに何らかのかたちとしてツアー観戦に行ったという思い出を残す方法は、もっともっと考えていかなければいけない。しかし、『そのぶんプレー中に撮影していい』とは絶対にならない。

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