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ガッツポーズは練習してないからなし、人生で一番は別の日… 天然系・小祝さくらが悔し涙を流した日

ガッツポーズは練習してないからなし、人生で一番は別の日… 天然系・小祝さくらが悔し涙を流した日

配信日時:2019年7月21日 17時12分

木村翔キャディ、母・ひとみさん、辻村明志コーチと祝福!
木村翔キャディ、母・ひとみさん、辻村明志コーチと祝福! (撮影:鈴木祥)
サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース 最終日◇21日◇イーグルポイントゴルフクラブ(茨城県)◇6588ヤード・パー72>

ようやく掴んだ初優勝。その瞬間を今か今かと待ち望んでいたカメラマンはあっけにとられたに違いない。小祝さくらはウイニングパットを入れた瞬間、いつも通りパーとしたかのようにキャップのツバを触ってギャラリーに応えただけだったのだから。

豪華2ショット!タレントの板野友美さんと小祝さくら【大会写真】

実は先週母と「優勝したらガッツポーズをしたほうがいい」と話していたという。だが、これまでプロアマ戦ではちょっこりこぶしを握ったことはあったが、試合ではゼロ。そんな状況が翌週に急にきたものだから、「ウイニングパットを打つ前に考えていました。ですが、どういう風にしたらいんだろうって思って。じゃあいいやって」。小祝らしいといえばらしいのだが、優勝の瞬間としてはちょっぴり寂しい。

グリーン脇で見ていた母・ひとみさんは号泣しているものだから、そのコントラストが余計に面白い。ちなみに、うるっとも来ていなかった小祝は、「人生でうれしくて泣いたことはないです」とのこと。

そんな小祝だが、悔し涙はこれまで何度も流してきた。昨年の「ゴルフ5レディス」ではプレーオフで申ジエ(韓国)に破れ、帰り道では涙が止まらなかった。そして小祝自身が「一番悔しかった」というのが昨年12月にタイで行われた日本選抜vsタイ選抜の対抗戦「第1回アマタフレンドシップカップ」。日本代表として臨んだ団体戦で、まさかの全敗を喫してしまったときだった。

「自分だけの責任じゃなかった。団体戦の難しさがありましたね。いつもよりも強い気持ちを持っていたので」。小祝のキャディを務めていたコーチである辻村明志氏も「うれし涙も悔し涙もないタイプだと思っていましたので、僕としても驚きでした。“この悔しさが大事だぞ”と伝えました」。

悔し涙を流すのは簡単。小祝はそれを強さに変えてきた。辻村氏が続ける。「小祝さんは一見冷静に見えますが、負けた日にもランニングを欠かさなかったりと、悔しさを感じて練習にぶつけるタイプ。気持ちが強い。ゴルフ5で負けた月曜日の夜も“素振りを見てもらえますか?”と連絡をくれて二人で練習しました。ただ悔しがるのではなく、それを練習にぶつけて力に変えられる。そこも一段一段強くなっている理由だと思います」。これまで獲得した銀メダルは4つ。その1つ1つは決して無駄ではなかった。

優勝会見で「今日が一番人生でうれしい1日ですか?」という質問に「いえ、去年ファンであるBTS(防弾少年団。K-POPの歌手グループ)のライブのチケットがいい席だったときのほうがうれしいです。2列目だったんですよ!運を使っちゃったかなって思いました(笑)」とひとしきり話した後、慌てて「ゴルフなら一番です…」と話した小祝。でも、それはきっと、これから悔しさを乗り越えた先にもっともっとうれしい1日が待っているからに違いない。(文・秋田義和)

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