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“狭間世代”で輝くダイヤモンド 大人の階段のぼる稲見萌寧のゴルフが楽しい【記者の目】

“狭間世代”で輝くダイヤモンド 大人の階段のぼる稲見萌寧のゴルフが楽しい【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2019年7月17日 09時24分

同じく今季はルーキーとして戦い、すでに1勝をマークしている河本結も「常に優勝を目指す」と鼻息は荒い。負ければ大粒の涙を流し悔しがる姿を何度となく見せてきたが、そんな姿を見ると応援したくなるのもファン心理。ところが稲見は、敗れてもサバサバした表情で、「優勝争いができていることはいいこと」といってのけ、次戦へ気持ちを切り替えていた。

後半戦の出場資格を得て思ったことは、「いろんなところにいけるのが楽しみ。なんか旅行みたいで(笑)」と、大会前から明るい表情だった。当然ラウンド中のミスにはしかめっ面も出るが、終われば次のことをすぐに考える。練習場にいる時間は課題にまっすぐに取り組み、長時間打ち続けることも少なくない。

初めてのツアー参戦でこれからは毎週試合が続くが、「息抜きは特にないです。普通に練習が楽しいし、空き時間なんてありません」とあっけらかんと笑う。唯一、食べることが楽しいですね。各地のいろんなおいしいモノを食べることができるので最高です(笑)」と、先週は4日連続で北海道人気のスープカレーを堪能。楽しそうに報道陣にも打ち明けてくれた。

まだまだ少女の面影を残す19歳だが、ひとたびラウンドに入ると、引き締まった顔になるのも魅力のひとつだろう。「元々はネガティブになりやすいんですけど、試合になったらやるしかないし、イケる!と思う(笑)。毎週優勝を目指していきます」と、ややイケイケな面もまたおもしろい。

先週の大会2日目。1番ホールでティショットを曲げて林の中へ。わずか数10センチの隙間を通そうとしたところ、キャディから止められ泣く泣くピン方向に打ち出すのを諦めた。ところがそこで6メートルのパーパットを沈めてパーセーブ。その後もノーボギーで、最終2位フィニッシュに向け、大きなラウンドとした。

怖さを知らない若者らしく、攻撃一辺倒だったゴルフが少しずつ大人のゴルフになっていく。「マネジメントは大事ですね。成長できていると思います」と、結果が思い描いた通りになってきている。「最低限のラインにいると思う」と現状を分析する稲見だが、黄金世代とプラチナ世代のあいだ、狭間世代で「ダイヤモンドになりたい」とキラキラとした目で話す。またひとつ出現した原石が光り輝くのはいつだろう。そのときを楽しみに待ちたいと思う。(文・高桑均)

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