今回の例で言えば、ツアー側が、きちんとリストについて解説した上で、定期的に公開する。それで非難を受ける者も、同情される者も出るだろう。不満を爆発させる者もいるだろう。だが、そのいずれも表に出せばいい。水面下で行われていたことが表に出ることで、やがてきちんとした議論が生まれ、問題が健全化する。そのことを、まず、男女を問わず各ツアーが話し合い、グローバルスタンダードを作っていく。そう言った方向性を探るべき時はとっくに来ている。
スロープレーヤーリストをSNSでいきなりさらしたモリナリの行為に問題がないとは言えない。しかし、この行為が、スロープレーに対する論議を喚起したことは間違いない。欧州以外のツアー関係者が「うちの話ではなくてよかった」と、胸をなでおろすような低次元の話で終わっては元も子もない。前向きにとらえて、スロープレー撲滅の大きな動きをきちんとつくるべきだろう。(文・小川淳子)