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モリナリの行動自体の是非はさておき、スロープレーが世界中のツアーで横行し、運営自体を脅かしているのは確かな事実だ。まともなゴルファーなら誰でもわかっていることだが(そう祈りたい)、スロープレーが迷惑なのは、同伴競技者だけにではない。スロープレーヤーのいる組より後から同じホールをプレーすることになるゴルファー全員に迷惑をかけることになる。プレーの遅れはズルズルとあとの組に影響を与え、遅くスタートしたプレーヤーが、日没でプレーを終えられない可能性もあるからだ。
一般ゴルファーでも大問題となるこの事態は、プロの試合ではもっと様々なところに影響を及ぼすことになる。もちろん、様々なことを考慮してスケジュールは組まれているが、それでも、日没サスペンデッドとなれば予定は大きく狂ってしまう。天候によるものなら仕方がないけれど、スロープレーのせいでは目も当てられない。
スロープレー撲滅は、今年1月からの大きなルール改正の目的の一つでもある。ショットの直前までキャディーが後方で方向を確認することが禁止されたのもそのためだ。だが、それでもまだまだスロープレーは減らない、というのがモリナリの主張なのだろう。
日本の女子ツアーのスロープレー問題については、たびたび言及している。だが、大きな改善は見られない。スロープレーヤーからは「迷惑をかけている」という自覚がなく、それどころか「自分の時間を使っているだけ」という意識が見え隠れする。そして周囲は不満に思いながらも、なかなか表に出せず、裏で悪口を言うという悪循環だ。