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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】米女子ツアーのQTに挑んだ8人が得た財産

【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】米女子ツアーのQTに挑んだ8人が得た財産

配信日時:2018年8月28日 19時23分

このこと自体は、決して悪いことではない。アスリートである以上、より高いステージを求めるのは当然だからだ。

ジュニアの試合に出るためだけに高校に在籍し、ゴルフだけをしているくらいなら、むしろ義務教育を終えると同時にプロテストなりQTなりに挑んでプロになるほうがよほどすっきりする。それにストップをかける権利が果たして大人の側にあるのだろうか。

もちろん、教育的見地から、若いゴルファーたちの将来を考える必要があるのはいうまでもない。プロになるのが早くても遅くても、ゴルフしか知らない“ゴルフ馬鹿”を乱造するのは最低だ。ゴルフがいくら長くできる競技だといっても、現役でいられる時間は一生ではない。現役でなくなれば賞金も、露出に伴うスポンサー収入もなくなることがほとんどだし、全員がテレビ解説やレッスンなど、ゴルフ関連を生業とできるわけでもない。つまり、セカンドキャリアを考えなくてはならないからだ。

いい指導者や、まともな保護者は「現役をやめてからのほうが長い」ということをきちんと教えてくれる。ゴルフの世界以外での常識を。しかし、スコア至上主義の大人たちは、それどころか、ゴルフのスコアのこと、技術のことで頭がいっぱい。同じことを子供たちにもしいる。いい換えれば、ゴルフの素晴らしさをきちんと教えてくれない。

日本から世界最高レベルの米国を目指す選手は、ここのところあまり多くなかった。自国ツアーに毎週、高い賞金がかかった試合があるからだ。しかし今年、米QTに8人も挑んでいたことは、その傾向が変わってきたことを示している。

彼女たちの思惑はさまざまだろう。井の中の蛙でなく、早く世界に出ようとしている者もいれば、日本より米国に魅力を感じる者もいる。日本の閉塞感を感じている場合もあるかもしれない。華やかに見えても、実態は将来に暗雲が立ち込めている日本の女子ツアーの気配を(本人なのか周囲の大人なのかが)感じていることだって考えられる。

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