「球がねじれなくなって、ストレートな球が打てている。ねじれながらフェアウェイに行くのと、まっすぐでフェアウェイをキープできないのでは、意味が違う。しっかりと体になじんでいる。今後が楽しみです」と長いトンネルの出口は、もうすぐそばまで来ている。それどころか、「関西オープンのときには、いくら練習してもきついな〜と思ってしまっていたけど、もしかしたら考えすぎなだけで、『たいしたことではなかったのかもしれない 』 とすら思います」という言葉も飛び出した。
2016年「RIZAP KBCオーガスタ」以来のツアー15勝目に王手をかけた石川。さらに優勝すると中嶋常幸の28歳10カ月29日を抜く最年少(26歳9カ月7日)での15個目のツアータイトル獲得となる。復活の舞台は整った。
「自分がいいと思うゴルフができれば、2位に4、5打差をつけて優勝することができると思う」と前日に続いて話した石川は、「今日のスコアだからいうわけではないけれど、自分の意識が下がっていないことを再確認できた。世界で活躍する選手になりたい。そのために一瞬一瞬を生きていきたい」と胸を張った。ずっと描き続ける未来を実現するため、まずは久々の優勝をその手でつかみ取る。(文・間宮輝憲)