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大学進学時は就職を考えていた安森一貴 プロ7試合目で初の首位発進に「素直に嬉しい」

全英切符をかけた一戦。初日の競技が終了。プロ7試合目の安森一貴がキャリア初の首位発進を決めた。

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2023年5月26日 07時30分

初日9アンダーで首位発進を決めた安森一貴
初日9アンダーで首位発進を決めた安森一貴 (撮影:ALBA)

<~全英への道~ミズノオープン 初日◇25日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>
 
プロ5年目の25歳、安森一貴が1イーグル・8バーディ・1ボギーの「63」と圧巻のスコアをマーク。レギュラーツアーの出場7試合目の新鋭が、2位に4打差をつけてキャリア初の単独首位で初日を終えた。

ビッグスコアの予兆は、ショットで絡めて奪った11番からの3連続バーディではなく、前半16番パー3にあった。1打目をグリーン奥のカラーに運ぶと、15メートル弱のフックラインのバーディパットは「カップの奥から入った」と半周して沈むと「今日は流れが来ている」と感じた。
 
2019年11月にプロ転向した安森は、昨年7月に行われたツアー外の1日競技「メインステージJOYXオープン」で優勝を挙げた。歴代賞金王の伊澤利光や小田孔明、宮里優作をはじめ、15人以上のシード選手が出場する「大きな大会」で自身の初タイトル。「僕は乗り出したらイケイケで、けっこう伸ばせるんです」と、この時も「63」をマークして後続を振り切った。
 
16番パー3で流れに乗り出すと18番でもバーディを奪って前半「31」で折り返す。後半に入ると4番で1つ落としたが、5番ですぐに取り返す。6番パー5は7メートルのイーグルパットを流し込み、7、8番も連続バーディと“イケイケ”で伸ばし続けた。ツアーでは自己ベストとなる「63」をマークすると「素直に嬉しいです」と白い歯をこぼした。
 
大阪府出身の安森は、「日本ジュニア」16位タイ、「関西ジュニア」5位タイなどの成績を残していたが、大学進学時にプロゴルファーの選択肢はなかった。「企業に勤めるなら」と考えて、ゴルフの強豪ではない関西学院大学社会学部に進学。「テレビやメディア系の仕事に興味がありました」と普通に就職することを考えていた。
 
大学3年時の2018年の「日本学生」で3位タイに入った。その時の優勝者が1学年下でツアー1勝の桂川有人。3位タイには同じくツアーで1勝を挙げている安森と同学年の片岡尚之もいた。アマチュアの大きな大会で結果が出るようになり、「プロでもやっていきたいという気持ちが出てきました」と方向転換。大学4年時の19年には今大会の予選会を突破してレギュラーツアーも経験。結果は予選落ちに終わったが、プロへの道は強固なモノとなり、QTを受けてプロ転向した。
 
プロ転向後は目立った結果を残せていないが、昨年の今大会も予選会を突破して29位タイに入るなど「ミズノオープンは思い入れのある大会」と力強く話す。
 
今季はファイナルQTで12位に入り、9月の「フジサンケイクラシック」までの前半戦の出場権を獲得した。ここまで3試合に出場して獲得賞金は約104万円(2試合で予選通過)で賞金ランキングは81位。「後半戦も出られるようにがんばりたい」とリランキングまでに賞金の上積みを目指すが、今大会で後半戦どころかシードや優勝も夢ではない。「まだ初日なので。ほんと明日も変わらずできたらなと思います」。しっかりと地に足をつけて、まずは好位置で決勝ラウンドに進みたい。(文・小高拓)

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