「なかなか3打目も難しかったですけど、4打目も（笑）。すごいラフに沈んでいて、ここに打つくらいだったら手前のバンカーのほうが良かったな」というほどのライ。ボールは深いラフの中で、左足下がりから下り傾斜に打たなければならない。ボギーは避けられないかに思えた。

しかし、この4打目で石川が魅せる。フェースを開いてヘッドを速く振り抜きながら、物理の法則に相反するようにボールはフワッと上がってゆっくり飛んでいく。「狙い通りでした」と、ピンの手前に静かに落ちると、ボールはトロトロと転がり、ピン側10センチにつけるスーパーショットとなった。これにはギャラリーも拍手喝采。石川は続くパーパットを沈めると、笑顔で声援に応えた。

午後からスタートした組は、昼前から振り出した雨と風の影響で、なかなかスコアを伸ばせていないため、石川の順位は少しずつ上がっている。週末に向けては「きょうのような内容を目標にあしたやって、最終日につながっていくような感じにできればと思います」。優勝争いもにらみながら決勝ラウンドに進む。（文・下村耕平）