来月16日に30歳の誕生日を迎える木下のゴルフ人生は、常に同い年の松山英樹や石川遼と比較されてきた。「遼が高校生でツアー優勝して、英樹が(大学生で)マスターズに行って、レベルが違いすぎたので比較されて嫌になったりはしなかった」と木下。さらに「年上でもなく年下でもなく、同級生なので一番刺激がもらえる。(2人が)同学年で本当に良かった。比べものにはならないですけど、この優勝で一歩近づけたかなと思います」と話す。
「気分転換でクラブを握らない選手もいますけど、僕はそれが嫌で。クラブを握っているときが一番落ち着く。ゴルフ大好き野郎ですね」と笑う29歳の夢は大きい。今回の優勝で来年から5年シードを獲得して、「ヨーロッパでは川村(昌弘)選手も頑張っていますし、PGA(米ツアー)では英樹も頑張っている。自分もそこに割って入れるように、ヨーロッパツアーのQTに挑戦したり、積極的に世界に出ていきたいです」。プレッシャーの壁を打ち破った木下の前には、“世界”という大海原が広がっている。本当におめでとう。(文・下村耕平)
