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傍から見ればうれしいことも…当事者になれば悩みごと 安本大祐が証明したい「細くても勝てる!」

傍から見ればうれしいことも…当事者になれば悩みごと 安本大祐が証明したい「細くても勝てる!」

配信日時:2021年5月7日 18時02分

ジャパンプレイヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 2日目◇7日◇西那須野CC(栃木県)◇7036ヤード・パー72>

「太ったことがない」。はたから見ればうれしいことこの上ないが、アスリートの当事者からすれば「太れるなら太りたい(笑)。パワーがついたらいいのになぁって思いますよ」。そう話すのは公称55キロ、実際は「51か52キロ」の安本大祐である。

今回の大会会長と大会実行委員長は意外な人物

太ろうと思ったことはある。学生時代に「プロテインを飲んだり、夜にラーメンを食べたりしました」と増量を試みた。だが、結果は…。「500グラム落ちていたんですよね(笑)」。別に病気などではないが、思ったようには体重は増えてくれない。

そんな安本に周りは「もっと太ってパワー付けた方がいいよ」と声をかける。気にかけてくれるのは分かるし、すぐに覚えてもらえるのはいいことだと思っている。それでも言われれば言われるほど思う。「デカくなくても勝てると証明したい」。

とは言っても、細身だが飛距離は出る。2019年のドライビングディスタンスは306.69ヤード。この数字はランキングにカウントされるにはラウンド数不足だが、部門4位に匹敵する。効率よく飛ばしていることの表れだが、「飛距離に体重は関係ないと思うんですよね」とケロリ。「スイングアーク、ヘッドスピードが高ければ飛ばせます。さらに僕はリストターンもするのでスピンも少ない。打ち出し角を上げられれば飛んでいきます」とこともなげに言う。

そんな飛距離が出るスイングも本人からすれば、「ドライバーには適していると思うんですけど、その分、アイアンで距離感を出すのが難しいんですよね」と悩みに変わる。スピン量が少ないため、ドライバーもある程度スピンの入るPINGの『G410 PLUS』を調整して使っている。スピン量を減らすことに四苦八苦する人とは真逆の悩みを抱えている。こういったところも安本らしいのだが。

予選ラウンドを終えて首位と4打差、トータル8アンダーの7位タイと好位置で決勝ラウンドへ。自分の思いを証明するチャンスがめぐってきた。「この体重でツアー優勝したいんです。(重永)亜斗夢よりも軽いんです。彼と違って僕は病気ではないですが、体型に恵まれていない子たちに大きくなくたって勝てるんだよというところを見せたい」。すらりとした体格に宿る確かな芯。明日からも強い思いを打球に込める。(文・秋田義和)

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