比嘉一貴 初優勝に涙【写真】
ある意味、そのアドバイスがなければ、優勝スコアの大会新記録を更新するどころか、悲願だったツアー初優勝を達成できなかったかもしれない。もちろん、ゴルフはショットだけがすべてではないし、アドバイスを聞いてスイングを立て直した比嘉の対応力もすごいと思う。ただ、あれほどまでに表情の違いを見せられると、そのトレーナーに対して興味が湧いてくる。
比嘉がいうトレーナーとは、男子ツアーのオフィシャルアスレチックトレーナーを務める成瀬克弘氏だ。1992年から男子ツアーで初のフィットネスカーを導入した“イギア”のスタッフで、以来、男子ツアーの主管が日本ゴルフツアー機構に変わっても、フィットネスカーの運営・継続を維持してきた。2002年からは新たに株式会社プレジャーを立ち上げ、その代表取締役を務めているが、ツアーの現場で選手のケアを行うのは今年で28年目を迎え、これまで数多くの選手を見てきたという。
「通常は出場選手の34〜35パーセントくらいの人数がケアにきます。多いときで50パーセントぐらいですね。スタート前とラウンド後に選手がくるので、サスペンデッドになると、翌朝に残りを消化するため、朝の4時からケアを始めたりもします。スタッフが3人しかいないので、そこから夜の7時半ぐらいまでほぼ休むことなく稼働しています」
昼食の時間も10分ほどしかなく、コンビニで買ったおにぎりをほおばってケアに戻ることも少なくない。ツアーでケアを始めた当時は、まだパーシモンやメタルヘッドが主流の時代で、選手は下半身を大きく使ってスイングしていた。そのため、腰を痛める選手が多かったが、最近はクラブの進化からか、腕に張りを訴える選手が増えているという。
