4月2日から日本で開幕するアジアンツアーの高額賞金大会「インターナショナルシリーズ」。今季、日本勢2人目となるLIVゴルフメンバー入りを果たした浅地洋佑は、このシリーズからLIV参戦への道を切り開いた。アジアンツアーの転戦や、日本ツアーとの違いについて聞いた。(取材・構成/齊藤啓介)
昨年、全9試合が行われたインターナショナルシリーズで、浅地は第8戦「シンガポールオープン」を制し、優勝賞金5500万円を獲得。同シリーズのポイントレースを2位で終え、LIVゴルフ出場権が与えられる上位2枠に入った。そして今年、香妻陣一朗に続く日本勢2人目のメンバーとして戦っている。
ランキング2位の決め手となったのは、「インターナショナルシリーズ・フィリピン」での2位と、シンガポールでの優勝だった。ランキング1位のスコット・ビンセント(ジンバブエ)とともに、LIVメンバーの証しであるゴールドメダルも授与された。今季は「ワイルドカード」としてリーグに参戦。4人1組の13チームには所属せず、個人戦のみで戦っている。
昨年は「中日クラウンズ」で国内ツアー4勝目を挙げ、早々にシード権を確保。その後はアジアンツアーにも積極的に参戦したが、「遠征は大変でした」と振り返る。
移動手配は周囲に任せているものの、負担となるのはやはり費用面だ。大会指定のオフィシャルホテルはホスピタリティに優れる一方で宿泊費は高く、「近くのホテルに泊まったり、朝と昼はゴルフ場で食べたり」と工夫を重ねた。「ビザの取得も大変でしたけど、それでもすごく楽しかったです」と、苦労を上回る充実感を口にする。
今季からは高額賞金が見込めるLIVゴルフに参戦し、金銭面の不安は解消された。「日本ツアーでも試合に出続けないといけない。その不安がなくなって、ゴルフに打ち込めると思う」と精神的な余裕も生まれている。
さらに、アジアンツアー参戦で痛感したのは、日本とのスタイルの違いだ。特に印象的だったのが「ラウンド後に練習をしない」点。練習日は徹底的に打ち込む一方で、試合後の練習場は静まり返り、ラウンド後はすぐに引き上げる選手も多い。ただし、その分、練習日の打ち込み量は圧倒的で、日本ではあまり見られない光景だという。
コースの特徴も対照的だ。アジアンツアーは日本に比べてフェアウェイが広く、ティショットは“マン振り”が基本。その一方で、日本では見ないようなシビアなピン位置が多く、セカンドショットの精度がより厳しく問われた。
そうした環境に身を置くことで、ドライバーの飛距離も自然と伸びた。特別なトレーニングを積んだわけではないが、海外選手の強振につられて飛距離が向上したという。
「そこに身を置くだけでスキルアップにつながる」。LIV勢も参戦するインターナショナルシリーズは、世界レベルを体感できる貴重な舞台でもある。
比嘉一貴や池村寛世らも国内ツアーと並行してアジアンツアーに参戦し、比嘉は日本勢初の年間王者に輝いた。さらに1月のLIV予選会には池村、小西たかのり、勝俣陵も挑戦。新たな活路を模索する動きは広がっている。
高額賞金を狙えるインターナショナルシリーズやLIVゴルフは、選手にとって大きな魅力だ。「プロである以上、稼がないと。それが目的なので」と浅地は言い切る。賞金を稼いでこそプロ…その信念を隠さない。
DPワールドツアーを経由してPGAツアー出場権を手にした久常涼の成功は“久常ルート”と呼ばれ、中島啓太も同じ道を歩んだ。
そして今、インターナショナルシリーズからLIV出場権をつかんだ“浅地ルート”が、新たな選択肢として浮かび上がる。日本ツアーから世界へ。その道を目指す選手は、今後さらに増えていきそうだ。
■予選ラウンドは無料で観戦が可能!?
すでに大会のチケットも発売を開始。大会初日(2日)と2日目(3日)は、なんと入場無料(3日目、最終日は各日5000円)となっている。さらに4歳未満の子どもは4日間無料とあって、家族連れでの観戦も楽しめそう。大会は、多くの日本人ギャラリーの盛り上げにも期待している。
