スイングは「軸」があって成り立つ。軸を保てるかどうかで、ショットの成否を大きく左右する。とはいえ、ブレない軸を作るには、体のどこを鍛えたらいいのか。そのカギは“足裏”にあると、体の操り方で競技力を底上げする「上達屋」代表の手塚一志さんは話す。
「軸作りに大事なのは平衡感覚。人間の平衡感覚は、目、三半規管、足裏の3つのセンサーが拾った情報を、脳がまとめて処理する仕組みです。ただ、目から得た情報を脳で処理して筋肉に指令を送るまでに、およそ0.2〜0.5秒かかります」
つまり、スイング中の軸ブレを視認できたとしても、脳が『立て直せ』と指令を出して筋肉に届くころには、インパクトが終わっているのだ。
「ではどうしたらいいのかというと、“足裏”の感覚を鍛え、体が勝手に修正する状態を作ることです。足裏で地面をつかむ感覚がよみがえれば、余計な力みが抜け、軸がスッと通るようになります。すると脳の処理を待つ前に、体が勝手にバランスを整えられるのです」
手塚さんによると、足裏のセンサーを磨いてスイング軸を強化するドリルとして、「かませ」が有効だという。
「『かませ』は動き出す直前、体が最も効率良く力を発揮できる関節角度を体に覚え込ませるのが狙いです」
足裏の感覚を研ぎ澄まして地面をしっかりつかみ、ブレない軸で飛ばしていこう。
■片足立ちが関節の正しい角度を教えてくれる『かませ』
アドレス姿勢から静かに動き出し、片足立ちをキープするのが「かませ」。メリットは二つ。一つは、たとえ体を動かしても、軸を保ったまま動けるようになること。もう一つは、股関節、ヒザ、足首がカチッとかみ、スイングに最適な準備角度が体に刻まれること。この体勢で始動できればスエーを予防でき、「股関節に乗るスイング」が自然と生まれる。
◇やり方
アドレスの姿勢から30cmテークバックしながら左足を浮かせ、右足1本で立ち10秒キープ。続いてフォロースルーを30cm出して左足で片足立ちのまま10秒キープ。これを3セット行う。
軸を保ったまま片足立ちを続けるのは難しい。このドリルを行っていると体は無意識に、股関節、ヒザ、足首を、筋肉に負担の少ないベストな角度へ収束させる。この角度が深ければ太モモの前面にある大腿四頭筋を必要以上に使うし、逆に浅いと棒立ちになり軸が崩れる。この黄金角度は競技を問わず共通で、野球の投手や打者、ハンマー投げの選手なども「力を込める瞬間」に同じ角度になる。
【解説】
手塚一志さん
てづか・かずし/パフォーマンス・コーディネーター(アスリート技能調整技師)。スポーツ上達工房「上達屋」代表。「ジャイロボール」「シンクロ打法」など、スポーツ技能の熟達法を発見・提唱。発信するメソッドは野球をはじめラグビーやゴルフなど幅広い競技で採用されている。
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