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最も初速の出るモデルはどれ?『3層構造』フェースが話題のキャロウェイ『クアンタム』を5打点試打!

キャロウェイの2026年モデル『QUANTUM(クアンタム)』に搭載された『3層構造』のフェースはボール初速が飛躍的に上がると話題になっている。一体どんな特徴があり、どれほどの性能を秘めているのか。ALBA本誌の連載「新・ギア総研」でお馴染みの筒康博と小坂圭司がドライバーの5打点試打でモデルごとの初速性能をチェックした。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2026年2月10日 17時00分

話題沸騰の『3層構造』フェースの実力とは? 5打点試打でモデルごとの性能をチェックした
話題沸騰の『3層構造』フェースの実力とは? 5打点試打でモデルごとの性能をチェックした

『3層構造』フェースは大きなたわみでミスに強い“広反発”


業界初となる異素材複合の『3層構造』フェース(「TRI-FORCEフェース」)を採用したキャロウェイの最新モデルが『QUANTUM(クアンタム)』だ。『QUANTUM』は“飛躍的な”を意味し、従来モデルをはるかに上回るボール初速と飛距離性能を実現している。

『クアンタム』では5つのタイプのドライバーがラインナップ。写真左から『クアンタム ♦︎♦︎♦︎』、『クアンタム ♦︎♦︎♦︎MAX』、『クアンタム MAX』、『クアンタム MAX D』、『クアンタム MAX FAST』

『クアンタム』では5つのタイプのドライバーがラインナップ。写真左から『クアンタム ♦︎♦︎♦︎』、『クアンタム ♦︎♦︎♦︎MAX』、『クアンタム MAX』、『クアンタム MAX D』、『クアンタム MAX FAST』

試打をスタートする前にヘッドの計測を実施したギアコーチの筒康博は、『3層構造』フェースは単一素材では不可能な性能を出せると分析する。

『クアンタム』の『3層構造』フェースの分解パーツ。表面には極薄の「チタン」、後方に耐久性の高い「カーボン」を使用。間の「ポリメッシュ」は2つの素材をつなぐ役割がある

『クアンタム』の『3層構造』フェースの分解パーツ。表面には極薄の「チタン」、後方に耐久性の高い「カーボン」を使用。間の「ポリメッシュ」は2つの素材をつなぐ役割がある

「素材ごとの特性を生かして、フェースの反発性・寛容性を高められることが『3層構造』のメリットです。ボールと接するチタンを薄肉化することで反発力を高め、後方のカーボンによって耐久性を確保。AI設計による弾道補正力も強化されるなど、性能を高める上でメリットが多いです」(筒)
 
『3層構造』のフェースは、チタンを極薄に仕上げることで、インパクト時のたわみを増大。従来モデルよりも効果的な偏肉設計が可能。フェースの芯がとにかく広く、安定した高初速でボールを打ち出すことができる。

たわみの増大は、キャロウェイが培ってきたAI設計による弾道補正効果の強化にもつながっている。打点がブレてもスピン量が最適化され、曲がりも飛距離ロスも小さく抑えられるなど、ヘッド全体の性能が向上しているのだ。
 
さらにカーボンで後方から支える構造を取ったことで、打感や打音など、フィーリング性能が向上したこともポイントだ。反発力の高さとは裏腹に、ソフトな打音と落ち着いた打音の心地良いフィーリングを得ることができる。

フェースの弾きを強化するだけでなく、寛容性やフィーリングを向上させるなど、『3層構造』のフェースにはさまざまなメリットがある

フェースの弾きを強化するだけでなく、寛容性やフィーリングを向上させるなど、『3層構造』のフェースにはさまざまなメリットがある

 「より複雑な偏肉設計が可能になったことで1発の飛びと安定感を兼ね備えた革新的なフェースが完成しました。『クアンタム』シリーズでラインナップされた5モデルのドライバーは、どれも飛距離性能と寛容性を両立しながら、振り心地や弾道がくっきり分けられています。自分に合った最適なモデルで飛距離を伸ばせるシリーズだと言えるでしょう」(筒)

モデル選びで見るべきポイントは「重心角」


では、5つのモデルがラインナップされたドライバーは何を基準に選ぶべきなのか。筒は「重心角」を見ることで、つかまりやスピン量を簡易的にチェックできると話す。

『クアンタム』シリーズのドライバー5モデルの「重心角」。角度が小さいほど、低スピンで叩けるフィーリングになる

『クアンタム』シリーズのドライバー5モデルの「重心角」。角度が小さいほど、低スピンで叩けるフィーリングになる

「クラブを水平にセットし、シャフトの1点で支えたときにフェースの上を向く度合いが『重心角』です。大きいほどフェースが上を向き、小さいほどヨコを向くと考えてください。重心角の大きいヘッドは、重心深度が深くなり、インパクトでロフトが増える傾向にあります。高めの打ち出しで適正スピンのボールが打ちやすく、同時にフェースがターンしやすいのでつかまりも良くなります。

一方、重心角が小さいヘッドは、重心が浅くなるので、余分なスピンを抑えた強弾道で飛ばせます。左を気にせず叩けますので、引っかけを抑えたい人に最適です。『クアンタム』は『MAX』を中心にくっきりと重心角の数値を分けていますので、自分に合ったモデルが絞りやすいシリーズと言えます」(筒)

5モデルの中で『クアンタム MAX FAST』は軽量仕様のモデルらしく、「ヘッド重量」も軽めに設計されていた

5モデルの中で『クアンタム MAX FAST』は軽量仕様のモデルらしく、「ヘッド重量」も軽めに設計されていた

また、モデル選びでは「ヘッド重量」をチェックするのもおすすめだ。今回はスリーブ(約8.5グラム)を含めた「ヘッド重量」を計測。軽いほどスイングスピードが上がりやすく、弾道も高くなる。自分に合った重さのモデルを選ぶことも大切だ。

アマの打点分布に合わせた5点の初速を計測


今回は『クアンタム』でラインナップされた5モデルのドライバーそれぞれの特性をチェックするために比較試打を実施した。テスターを務めたのは筒とトップアマの飛ばし屋、小坂圭司だ。

写真右が、過去の名器から最新クラブまで豊富過ぎる知識を持つギアコーチの筒康博。左が所属コースで幾度もクラブチャンピオンに輝いた経験を持つトップアマの小坂圭司。筒はHS40m/s、小坂がHS50m/sでそれぞれのドライバーを打ち、打点ごとの初速を計測し、平均値を算出した

写真右が、過去の名器から最新クラブまで豊富過ぎる知識を持つギアコーチの筒康博。左が所属コースで幾度もクラブチャンピオンに輝いた経験を持つトップアマの小坂圭司。筒はHS40m/s、小坂がHS50m/sでそれぞれのドライバーを打ち、打点ごとの初速を計測し、平均値を算出した

モデルごとのフェース性能を詳細にチェックするため、今回は5つの打点でボール初速を2人それぞれに計測。アマチュアのミスの傾向に合わせて、「センター」、「センター上」、「センター下」、「トゥ上」「ヒール下」に打点を設定した。

弾道計測器にはツアープロの愛用者も多い『GC Quad MAX』を使用。また、ヘッド単体の性能を見極めるために、シャフトは純正の『アスレマックス 50S』で統一した。尚、ボールについては筒がキャロウェイ『クロムツアー』、小坂が『クロムツアーX』を使用している。

アマチュアの打点傾向で多いとされる「トゥ下」と「ヒール下」で寛容性が発揮されるかは、モデル選びをする上で大きなポイントになる
『GC QuadMAX』は4つの高速カメラで正確な弾道データを計測できる機器(写真右)。ボールは1月に発表されたばかりのキャロウェイの最新モデル『クロムツアー』と『クロムツアーX』を使用した
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アマチュアの打点傾向で多いとされる「トゥ下」と「ヒール下」で寛容性が発揮されるかは、モデル選びをする上で大きなポイントになる

平均初速1位は『MAX』、最高初速は『♢♢♢』

 
ここからは、HS40m/sの筒とHS50m/sの小坂による、5打点試打の結果を大公開。革新的な『3層構造』のフェースで圧倒的な反発性能を実現したキャロウェイ『クアンタム』の中で、最も多くの打点で高い数値を記録し、平均初速で1位に輝いたのは『クアンタム MAX』だった。

5つの打点における平均値でボール初速67.80m/sをマークした『クアンタム MAX』。4つの打点で67m/s以上の数値を残すなど、圧倒的な芯の広さを備えていた

5つの打点における平均値でボール初速67.80m/sをマークした『クアンタム MAX』。4つの打点で67m/s以上の数値を残すなど、圧倒的な芯の広さを備えていた

『クアンタム MAX』はシリーズの中心となるスタンダードモデル。やや大きめの投影面積で構えたときに安心感があり、バランスの取れた重心設計で幅広いゴルファーにマッチする。適度なつかまりと弾道高さで使い勝手の良さがありつつ、余分なスピンがかかりにくい特性も備えているので、安定してキャリーが伸びるクラブに仕上がっていた。
 
「スイング中にフェースをスクエアにキープしやすく、ネジレの少ないストレートボールが打ちやすいヘッドです。他のモデルに比べて、弾きの良さを感じる爽快な打音に調整されていることも特徴的です」(HS40m/sの筒)
 
「芯でも、芯以外でも反発力が強く、圧倒的に初速が出てくれます。高めの打ち出しでスピンも少なく抑えられるので、飛距離性能という意味でもトップクラス。ネジレの少ない高・強弾道はかなり魅力的です」(HS50m/sの小坂)
 
一方、芯を喰ったときの「最高初速」でNo.1に輝いたのは『クアンタム ♢♢♢』だった。

今回の試打で、打点ごとの数値で「最高初速」をマークしたのはロースピン使用の『クアンタム ♦︎♦︎♦︎』だった

今回の試打で、打点ごとの数値で「最高初速」をマークしたのはロースピン使用の『クアンタム ♦︎♦︎♦︎』だった

『クアンタム ♢♢♢』は、450㎤の洋ナシ型のヘッドで、低スピンの飛びと操作性を追求したモデルだ。重心が低い分、フェース下部のミスヒットに強く、どの打点でもスピンの少ない強弾道ボールを打ちやすいことが特徴的だった。
 
「小ぶりかつディープなヘッドで、低スピンの強弾道ボールが打ちやすいです。初速性能もトップクラスで、フェースの広い範囲で高い数値をマークしました」(筒)
 
「パワーヒッターがとことん初速を上げて飛ばせるヘッドです。芯を喰ったときの弾きが強烈で、低スピン弾道でぐんぐん伸びます。打点がブレてもスピン量が安定してくれるので、安心して叩いていけます」(小坂)

『クアンタム ♦︎♦︎♦︎MAX』は平均初速が僅差の2位、筒が最高初速をマークするなど、HSが遅めでも扱いやすいロースピンモデルに仕上がっている

『クアンタム ♦︎♦︎♦︎MAX』は平均初速が僅差の2位、筒が最高初速をマークするなど、HSが遅めでも扱いやすいロースピンモデルに仕上がっている

新登場の『♢♢♢MAX』は、強弾道と寛容性のバランスが絶妙


『クアンタム MAX』に次ぐ平均初速をマークし、筒が最高初速64.2m/sをマークしたモデルが、『クアンタム ♢♢♢MAX』だ。今作から通常ラインナップに加えられたモデルは『クアンタム♢♢♢』をそのまま大きくしたようなフォルムで、構えたときの安心感が増している。小ぶりなヘッドにハードさを感じるけど、余分なスピンを抑えたいゴルファーにマッチするモデルとなっている。
 
「落ち着いた打音で、ボールを押し込むように打っていけます。高めの強弾道ボールが打ちやすく、適度なつかまりと寛容性も備わっています。全モデルの中で特にヒールのミスに強いことも特徴的です」(筒)
 
「少しディープな顔ですが、投影面積がしっかりあって安心感もあります。『MAX』のバランスの良さと『♢♢♢』の叩きやすさを兼ね備えています。オートマチックに飛ばすことも、弾道を操作することもできる絶妙な性能です」(小坂)

アマチュアに多い右へのミスを補正したいなら『クアンタム MAX D』が最適だ

アマチュアに多い右へのミスを補正したいなら『クアンタム MAX D』が最適だ

高さを出すなら『MAX FAST』、つかまり重視なら『MAX D』

 
多くのアマチュアが抱える「スライス」や「球が上がらない」という悩みを解消するなら、『クアンタム MAX D』や『クアンタム MAX FAST』も有力な選択肢になる。『クアンタム MAX D』は、ヘッドの前後が長いフォルムとチタンソールによって低・深重心に設計。オートマチックに高弾道ドローが打てるモデルに仕上がっている。
 
「右のミスに強く、つかまりの良いヘッドですが、引っかけが出ないバランスの良さがあります。スピン量も安定するので、やさしくキャリーを稼ぐことができます。スライサーが使えば、大きな飛距離アップが狙えます」(筒)
 
「芯の弾きが強烈で、最高初速は2番目に出ていました。ソフトでグッと押し込める打感が気持ち良く、強いドローで飛ばせます。落ち着いた打音も非常に心地良いです」(小坂)
 
軽量モデルの『クアンタム MAX FAST』は、通常よりも重い純正シャフト『アスレマックス50(S)』で試打するとフェース全体で安定した反発と打ち出しの高さを実現していた。

ヘッド重量が軽くても、直進性の高い挙動で安定して高弾道ボールが打てた『クアンタム MAX FAST』

ヘッド重量が軽くても、直進性の高い挙動で安定して高弾道ボールが打てた『クアンタム MAX FAST』

「ヘッドが軽量な分、軽快に振り切れてヘッドスピードが上がります。それでいてヘッドの直進性が高く、ミスヒットでもフェース向きのブレが抑えられて方向が安定しました。高打ち出しでスピンも入って、楽に高さが出ることも特徴です」(筒)
 
「投影面積がとても大きく、構えたときの安心感はピカイチです。フェースのどこで打っても球乗りの良い打感で、打点による初速のブレが小さく抑えられます。方向安定性の高さはトップクラスです」(小坂)
 
『3層構造』のフェースはボール初速アップやスピン量の安定など、あらゆるゴルファーにとって大きなメリットのあるものだ。さらにキャロウェイの『クアンタム』シリーズでは、幅広いレベルのゴルファーが飛距離を最大化できるように、振り心地や特性の異なる5つのヘッドをラインナップしている。スイングにマッチし、挙動や打点傾向をカバーしてくれるモデルを選べば、自分史上最高の飛距離を得ることができるはずだ。

◎取材協力/インドアゴルフレンジKz亀戸店 ◎撮影/山代厚男 ◎構成・文/田辺直喜

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