ツアーで流行するショートスラントネック
そのパターはその後、同形状のものをダスティン・ジョンソン、ジョン・ラーム等多数のプロが使用し、セルヒオ・ガルシアが悲願のマスターズ制覇を果たすのにも貢献した。『スパイダー』のやさしさに、操作性が加わったことで、プロたちのニーズを満たしたのだ。
ローリー・マキロイは、しばらくパッティングの不調に悩んでいたが、パターの名手として知られるデイブ・ストックトンの「もっと感性を活かすべき」というアドバイスに従って、『TPコレクション ブラックカッパー SOTO』(※日本未発売)というモデルに変更し、パーマー招待で1年半ぶりの優勝を手にした。
シーズンの終盤に差しかかった頃、タイガー・ウッズが、テーラーメイドの『アードモア3』というマレット型パターに変更したことが話題になった。2本の角があるクワガタ形状だったが、その際のネックは慣れ親しんだクランク型ではなく、ショートスラントだった。『ニューポート2』からマレット型へと、ヘッド本体が寛容になった分、ネックで操作性を出そうとしたのだと推測できる。
そんなプロのニーズにともない、ショートスラントネックのモデルが、かつてないほど多くラインナップされる様になった。オデッセイでは『#1W』や『#7』、『マークスマン』や『2ボールファング』など、おなじみの形状の多くにショートスラントネックのモデルを追加している。同じヘッドで打ち比べてみれば、ネック形状の違いで操作感が変わるのが明らかにわかる。無論、短いネックのほうが、フェースの開閉を感じやすくなるのだ。