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ギア選びはボールから、がツアーの新常識

text by Kazuhiro Koyama

配信日時:2017年5月19日 14時50分

アイアンの距離感に優れた宮里優作のボール選び

アイアンの距離感に優れた宮里優作のボール選び

「とにかく風に強い」とB330Xに信頼を寄せる宮里(撮影:上山敬太)

「とにかく風に強い」とB330Xに信頼を寄せる宮里(撮影:上山敬太)

 中日クラウンズに続き、日本プロも制し、自身初のシーズン2勝と国内メジャー制覇を果たした宮里優作。居を構える名古屋地区で優勝、そして出身地である沖縄で優勝と、地元ファンの熱い応援の中で勝利する役者ぶりが頼もしい。日本プロ最終日に8バーディーを奪い、「66」をマークした姿は、まさに強者の風格で、勝利の瞬間にひざから崩れ落ちた、感動の初優勝のときの面影は最早ない。

 そんな宮里の強さを支えているのが、ツアーでも指折りのアイアンの精度だ。中日クラウンズでも日本プロでも強い風が選手を悩ませる中、時には風に乗せ、時には風に逆らって球筋を打ち分け、ピンハイに距離を合わせる技術は卓越している。

 高精度のアイアンショットを可能にするのは、ブリヂストン『TOUR B330X』ボールと昨年から愛用する肉厚のマッスルバックアイアン『TOUR B X-BLADE』プロトタイプだ。ボールに関して言えば、クラブ契約をフリーにした後も、宮里は一貫してブリヂストンのボールを使い続けている。それが、距離感の要になるためだ。

 ツアープロのように、技術が非常に高いプレーヤーが打てば、同じように打ったとしても、ボールの種類の違いにより、飛距離や高さなどが微妙に異なる。その傾向は、風が吹くとさらに顕著になり、例えば、アゲンストの風が吹いた時に飛距離減の度合いが変わってくる。距離を合わせるためには、風に弱いのも困るが、強すぎてもグリーンをオーバーしてしまうというわけだ。

 ある程度、ボールが風に影響されて欲しいプロもいれば、風の影響を抑えたいプロもいる。宮里は後者のようで、『TOUR B330X』に対して、「とにかく風に強い。ミスヒットしたボールでも風に流されることなく、耐えてくれる」とコメントしている。距離の感覚は、プロそれぞれで独特なものがある。イメージに合う距離が出せる現在の使用ボールへの、宮里の信頼は厚いようだ。

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