筆者 「チャン・キムを例に取ると分かりやすい」
P編&筒 「そりゃ、『弾き系』に決まってるだろ!『TR』は男子ツアー発といっても、やや手元の剛性が低いだけで、弾き感はフジクラらしいものだよ」
筆者 「ほら。そういうことなんじゃないんですか?つまり、直近の男子ツアーの要望に沿って作られたものが『TR』で、そこの使用者がいま一番多い。それでいて『TR』は勝手に走るレベルではないが、フィーリングとしては“弾き感”が強いということでしょ?
『TR』って、去年チャン・キムが真っ先に飛びついて去年の「全米オープン」まで使ったんですけど、去年のツアー1の飛ばし屋のチャン・キムのスイングがまさにその場で回転系です。GGスイングというユーチューバープロの指導を参考にしているらしいですが、トップで手元を置き去りにして、下半身をガニ股のイメージで体の開きを早めるのが特徴。昔の【左のカベ】どころか、左肩や腰を早く開くんですよ?」
P編 「マジ!? 左肩を早く開いたらド右に飛ぶんじゃないの?」
【弾き】って、そもそも何のこと?
P編 「そうかな。私は“弾き=走り”だと思うけど。ゴルファーはみんなシャフト先端の動きのことを走りと感じやすくて、そこを走るとか弾くとか単純に感じていると思うんだけど?」
筒 「まぁ、ゴルファー個々でシャフトのどの動きを感じやすいかは個人差があるし、その【どこのしなりを感じてる】というのも、実際にはズレるのが普通だと思いますよ。ボクは長岡さんの言う【センター剛性】も、村田さんの言う【先端剛性】もよく分かりますよ。そして、フジクラは『スピーダーエボリューション』になってから、そのどちらも【弾くor走る】というフィーリングのあるものばかりです。決して【粘り】ではない」
筆者 「そう。で、その場で回転する1軸スイングの話しに戻りますが、こっちの方が2軸よりもヘッドスピードが出るんです。当たり前ですよね?軸が一つでその場で回転するんだから。よくヘッドスピード計測器はカットに振った方が数字は出るってやつと同じで、体をスライドさせて開きを抑えるより、ガバっと開いてブレーキをかけずにその場で回転する方が単純にスピードは出ますよね。
極端な例かもしれませんが、その振っても振り遅れない部分がフジクラの評価される理由じゃないかと、なんとなく思うんですよ。やっぱり、1軸回転系のスイングに弾きのいいシャフトは相性がいい。直近までDJが『スピーダーエボリューション2.0TS』を使ってましたが、彼がすごく粘り系のシャフトを使うと振り遅れるはずだと思うんですよね」
筆者 「いや、まぁそうなんですけど…」
P編 「長岡、1軸回転系のお前は何を使ってる?」
筆者 「え、ボク? こないだテーラーメイド『M3 460』をリシャフトして、アルディラ『ツアーブルー75X』に替えたばかりですけど? 44インチの短尺にしたの、知ってるじゃないですか!」
P編 「君、その前もフジクラじゃなかったよね?『GBB EPIC Subzero』は『エボIV』を入れてるけど、今使ってないだろう? その理由を説明してくれよ」
筆者 「そんなの、結果至上主義だからに決まってるじゃないですか。タイミングが取りやすくて結果がいいものを選んで何が悪いんです?」
筒 「……。(プロもアマも、みんなそこは同じだって…)」
P編 「バカヤロー!君さ、持論を語るなら、もうちょっと説得力のある形にしてくれよ。せめてフジクラの『TR』を入れて飛距離アップしたとか、そういう実体験から持論を語るのが当たり前じゃないのか?」
筆者 「え〜〜〜。せっかくこないだ社内コンペでドラコン獲ったばかりなのに…。44インチの短尺にしたのにめっちゃ飛距離が伸びたんですよ??それに、『ツアーブルー』もめちゃくちゃ弾きがいいですから!」
P編&筒 「…………。(ダメだこりゃ…)」
Text/Mikiro Nagaoka