「11番の広いFWでドライバーを撮影しました」(トシ平田)
PCM筒康博(以下、筒) 「貴重な資料をありがとうございます。では、先手としてボクから。“重いインパクト”という言葉を平田さんがどう定義づけているか分かりませんが、トップ選手のスイングを見ていて、 “圧の入るインパクト”の準備動作を感じました。 “圧の入る”という言葉の定義は長岡さんに任せます」
筆者 「平田さん、 “圧の入るスイング”というのは、複数の要素がセットになった【当て型】のことを我々は呼びます。言葉にするなら、【1】インサイド・アタック【2】ハンドファースト【3】ややアッパー軌道【4】負荷をかけたシャフトのしなり戻るタイミングがドンピシャ、といったものです。エネルギー効率のいい球を飛ばせる当て型といった方がいいかな、いや、力の集約と呼ぶ方がいいかも…」
平田 「なるほど。それ、“重いインパクト”に近いフィーリングですよ。私の場合、ダウンスイングでの右ヒジが体にくっついてしっかり球を押せることを重要項目としてセットしていますけど」
筒 「まぁ、右ヒジは必ずしも体に付いている必要はないと思います。アマチュアのようにインパクトで伸びてしまうのは論外ですけど。それより長岡さん、大事なこと忘れてませんか?」
「グリップスピードが落ちずにヘッドスピードが最速を迎える」(筒)
平田 「長岡さんは、右手を手のひら側に折るフリップで球をつかまえる悪癖がありますからね。これではスピン量が増えて飛ばない。ヘッドスピードがあるのに飛ばない人は、【ほぼ100%がフリップ癖】でしょう。この動画の中では、ザンダー・シャウフェレやアレックス・ノレンもそのきらいがありますが、他のトップどころにはその癖は皆無です」
ボールが当たるまでに左手グリップをヘッドが追い越す必要なんてないんです。スライスを嫌がる人は特に手元をヘッドが追い越すイメージを持っていると思いますが、フリップしてつかまえていると、長岡さんのように永遠にヘッドスピードなりの飛距離が出ないですからね。つかまり=フェース向きなので、怖いかもしれないですが、ハンドファーストにフリップさせずに捉えるインパクトイメージを持って欲しいです。
それに、ボールの打ち出し方向とヘッドの動く方向が一致するために、ややアッパー軌道になること。この当て型を実現するには、左腕の通り道を妨げないことと、バックスイングから切り返しで体がタテに縮むことが重要だと考えます。平田さんもジャンプアップとか、床反力とかの研究をされていると思いますが、なぜジャンプアップすると飛ぶか?はこの“圧の入るインパクト”の当て型と密接に絡むはずです」
筆者 「……。(何も言えない…泣)」
平田 「なるほど。筒さんの主張はわかりました」