筆者『ニューポート3』、筒『ファストバック』が好印象
筒 「ボクもL字マレットを長く使ってきたので『ニューポート3』は好きですが、お二人とも被るので『ファストバック』かなぁ」
筆者 「理由はなんですか?」
筒 「タテとヨコが揃うのはもちろんですが、オフセット度合いですね。シャフト軸から少しだけオフセットなものがボクの場合はスクエアに合わせやすいんです。それと、ヘッドの重心がやや深いものが好きだからですね。ゴルファーはヘッドの真ん中あたりの重心を知らず知らずのうちに感じようとする生き物だと思うので」
筆者 「言ってることは分かりますが、それってマレットを使う場合だけじゃないですか?ブレードのように横幅の狭いものは、ヘッドの真ん中の重心なんて想像できないですけど…」
筆者 「はい。元々ボクは長くYESパター『ドンナII』という幅広なクランクネックユーザーなんですよ。これを8年以上使っているので、形的には『スクエアバック』が合うはずだと思ってました。でも、改めて『スクエアバック』を試してみると、もうちょっとオフセットが強くてブレード長が短くないと、スライスラインでつかまらないなと感じましたね」
「ストローク全体のうち【どの箇所にブレが出るか】を見極めなきゃ」(筒)
筆者 「なんですか、その言い方。見た目批判はやめて(怒)」
筒 「本当に意外。三人のストロークタイプも感性も、育ってきたパターも違うんですが、共通点と決定的に違う場所があります。まず、共通点は【見た目のスクエアを重視する】ところ。これはどんなゴルファーでも同じだということが分かります。でも、一番大事なのは【どの箇所にブレが出るか】という部分ですね。
合わないモデルだと村田さんは【テークバック】でヘッドが揺れてブレが生じるタイプ。長岡さんは【切り返し】でヘッド挙動がブレます。ボクの場合は【インパクト後のヘッド挙動】のコントロール性に難が出ますね。三者三様でブレが入るタイミングは違いますが、このエラーが出やすい部分を見極めているか?が一番パター選びで大切なことじゃないですか」
筆者 「筒さん、ボールが当たった後なんて出球に関係ないじゃないですか」
筒 「ありますよ。真横からの繊細な傾斜とか、速いグリーンになるほどその部分をコントロールできないパターだと細かい出球とタッチをコントロールできませんから」
P編 「言ってることはよく分かるよ。パッティングの場合、プロもアマチュアもメンタル面の影響が大きいからね。どこかにブレが入る合わないパターだと、シビアな状況で思い切ってストロークできない。ミスを重ねて何を信じていいかわからなくなる状況だけはコースで避けたいしね」
もちろん、プロゴルファーの場合は普段の練習グリーンではエラーなんて出ないんです。問題はプレッシャーのかかった場面や、ライン読みやタッチに迷いがある時にどうなるか?そのプレー中にブレが入るシチュエーションまで本来は見極めてパターフィッティングをしていかなきゃいけないと思いますけどね。ブレの入らないパターだと、気持ちよくストロークしやすいので、手も動きやすくなりますから。プレッシャーが“かかって”も元々合わない、動かしづらいモデルよりも遥かにスムーズです」
筆者 「う〜ん、パッティングは奥深い…。筒さん、ちなみにボクのストロークやパターの相性はどう見えますか?」
筒 「長岡さん、パターに悩んでないじゃないですか。人生はブレブレな割に、ノーカンなのでパッティングに悩むほど繊細じゃないでしょ?悩んでないくせに聞かないで!」
筆者 「まぁ、そうですね。キャメロンの『ニューポート3』買おうかなぁ〜。人生は絶賛ブレブレ中ですが、これならストロークでブレが入らないことがわかったので!」
P編&筒 「いや、ブレるな長岡!エースパターの方が合ってるよ!!買わなくてもいいって!!!(長岡とだけはパター被りたくない…)」
Text/Mikiro Nagaoka