「ソールに秘密があり、【挙動の安定】がポイントです」(菅野)
筆者 「UTですよ、さっき『TINIT』UTを打ったら、UTが大嫌いなボクでも結果が出てしまって。見てください、この飛距離。ロフト20度なのにおかしくないか?というのがまず一点」
菅野 「確かにエグいですね。でも、長岡さんのヘッドスピードが速いからでしょう。フェースの板厚を極端に薄くしたとかではないですね、マレージング鋼で弾きはいいですけど」
P編 「菅野くん、ソールの秘密を教えてあげなよ。長岡に理解できるかわからないけど」
筆者 「……。菅野さん、入射角の浅い筒さんが打つと普通の距離だったんですけど、なんでボクが打つと距離が異常に出るんですかね?」
長岡さんはスティープに入れてきてロフトをかなり立ててヒットするんでしょう。そこで、スティープに入って地面の抵抗を受けるとヘッドが減速するんですが、それを極力減速せずに真っすぐ抜けるヘッド形状が機能した可能性はありますね」
筆者 「う〜ん、人工芝で打ってるので、基本的にどんな打ち方でも滑るはずだと思いますけども…。なんか、エネルギーが全部球に乗る感じがするんですよね。それでいて、左に行かない。ラインが出しやすいし、球が強そうな感じが打っててします」
「3つの後方ウェイトで左右の弾道コントロールはどうにでもなります」(菅野)
『TINIT』はドライバーもFWもUTも、3つの後方ウェイトを配置していて、この重さのバリエーションでヘッドのターン感を自在にコントロールできるので。今は1gが3つですが、もっと左にいかないものも、つかまるものも、ネジの重さを変えるだけで好みに変更できますよ」
P編 「まぁ、あくまでもネジのウェイト調整は、最終的なフィッティングという観点になるね」
菅野 「はい。それと、今入れているシャフトが『アッタスFW』でウッド径のものが入っているのも飛距離の面では影響しているかもしれません。製品版ではアイアン径ももちろん入るんですけど、長岡さんの飛距離の謎はそこもある気がしますけどね。というか、長岡さん、FWの方も同じような設計で作った自信作なんですよ。そこも体感してもらえましたか?」
筆者 「いや、まだです。というか、FWは打たなくても大丈夫です。打ちません」
P編 「打てよ!せっかくUT嫌いを克服したし、ドライバーも使ってる『TINIT』なんだぞ?」
筆者 「だって、20度のUTで250ヤード以上打てるのに、FWなんて要らないじゃないですか!3Wは得意ですし、エースがあるので『TINIT』UTがあれば5Wは要りません。というか、3Wも要らないかも…」
P編 「打つだけでもいいから打てよ!」
筆者 「イヤだ!要らない。打ったら欲しくなるかもしれないし…」
菅野 「打たないなら、帰りますね」
P編 「いやいや、菅野くんが帰る必要はない。打たないなら、帰るべきは長岡だよ。せっかくUT嫌いを克服させてやったのに、ぶつくさ言いやがって、ったく…」
筆者 「菅野さん、ありがとうございました。帰ります!」
Text/Mikiro Nagaoka